07
遅くなりました
「そんなぁ……」
ウィニー(自称)はその場にがっくりと膝をついた。
「うっ……うぐっ………」
それと同時に、泣き出してしまった。
「リュージュ……リュージューー…………」
何度も「リュージュ」と呼ぶ彼女(かどうかは良くわからないが、面倒なので女性という事にしておこう)は、リュージュの体を譲り受けた身として、見ていると少しだけ心が痛かった。
なんとかならないかと、リュージュの記憶を見ていく。
「…ん?」
少しだけウィニーに関する記憶で、引っかかるものがあった。
よく思い出すと、どうやら記憶の鍵のようなものがベッドの隣にある棚の、引き出しに入っているようだ。
「ちょっと待ってろ」
彼女にそう言って、食堂から寝室へと戻る。
そして、
「ここか」
引き出しを見つけ、それを開いた。
すると、その中には、一冊の薄い本が入っていた。
開いてみるが、特に何も書いていない。
「こっ、これは!」
その表紙を見ると、なんとなくどうすればいいのかわかった。
表紙に手を当て、魔力に強弱をつけて流し込む。
するとその本は強く光だし、改めて薄い本を開くと、中にはびっしりと文字が書かれていた。
そして、本をぱらぱらとすべてに目を通すように見ていく。
すべてのページを終え、本を閉じる。
「やっぱり、これは記憶の鍵か」
本を読んだことにより、ウィニーに関する記憶とメッセージがあるという事に、気が付いた。
「これは…早く聞かせたほうが良いな」
俺は食堂へと急いで戻るのだった。
皆さんこんにちはyoshikeiです。
今回も最後まで読んでくださりありがとうございました。
今後とも(次回更新の目途は立っていませんが…)よろしくお願いします。