03
壁やカーペットを濡らさないように注意しながら、必ず誰かがいるであろうキッチンへと移動する。
すると、考えていた通りシェフのような雰囲気を持った男性がいた。
「ああ、リュージュ様、おはようございます。朝早くからここに来るとは珍しいですね。お口に合いませんでしたか? それとも分量が足りませんでしたか?」
その男性はコーナー・コーン、この屋敷の料理長だ。どう見ても俺よりも年上である。
「残念ながら中はリュージュじゃない。リュウキ・マギ・ハイン・ヤマモト、一応別人だよ」
「なんと、ということは、魔法が成功されたんですね…」
「そういうことだな」
「わかりました。リュージュ様に話は聞いておりますので、ご安心ください。不自由なく過ごせるようにいたしますので、使用人一同、誠心誠意お仕えさせていただきます」
コーナーさんはそう言って深々と頭を下げた。
「こちらこそよろしくお願いします」
日本人の習慣なのか特に考えなくても体が勝手に動き頭を下げる。
「そんな、リュウキ様が頭をお下げになることはありません。私共のような使用人に腰を折るなど…。それに、雇い主であり恩人からの言葉ですから」
リュージュは次にこの体を使う者に向けて色々と用意をしていたようだ。
「して、今回は何の御用で?」
「いや、ちょっと水を出しすぎちゃって、どうすればいいかな~、と」
「それはどこに?」
俺はコーナーさんを手招きでこちらに呼ぶと、
「これ」
浮かばせていた水の玉を指さした。
「えっと、これは先ほど出された水ですか?」
「はい。まあ、思った以上に水を出しちゃって」
「お言葉ですが、体に不調はございませんか? 眠気や疲労が激しかったりしませんか?」
「そんなことはないですけど、なにかまずいことでもあるんですか?」
「通常それだけの量を出す前に魔力切れを起こし、倒れるのです。リュージュ様の魔力でも、続けて出せば多少の疲労感があるはずです」
「そんなに多くの魔力を使った覚えはないですよ?」
「そんなはずは・・・少し体に触れさせていただいてもよろしいですか?」
「はい、どうぞ」
そう言って、手を出す。
「それでは、失礼して…」
コーナーさんは俺の手に触れると、俺に魔力を流してきた。
「・・・ほとんど減っていない・・・・・・」
どうやら確認が取れたようだった。
「それよりも、この水どうしましょうか」
「あぁ、それなら、庭の池に入れちゃってください。その量の水をためることのできるものはありませんから」
「わかりました」
コーナーさんはそう言って近くの窓を開けると、そこから見える池を指さした。
俺はその池に向かって水の玉を投げた。
こんにちはyoshikeiです。
今回も最後まで読んでくださりありがとうございました。
次回もよろしくお願いします。
最近は筆が進むので(まあ、使っているのはPCやスマホですが)明日も投稿したいと思います。
書き終えて入るので(予約掲載設定のミスをしなければ)投稿できないということはありません。
ご安心ください。
次回の更新は4月14日午前9時です。