アメとムチ
10月25日、卒業検定を迎えた。
検定官は塩田教官。検定コースは第3コースに決まった。
第3コースは、あの私の苦手とする
『4箇所全てが赤点滅信号機』
は含まれておらず、私にとっては比較的楽に思えるコースでもあった。
検定日当日は、あまりの緊張感から吐き気を催すほどであった。
しかし、諸教官先生の励ましと、容姿端麗な諸事務員の、
「頑張ってくださいっ」
のひと声により、私の気持ちは昂った。
しかし、如何せん受験番号が、
『4』
であることが、スロッター?の私にとっては、
『縁起の悪い数字』
に思えてならなかった。出来ることなら、
『7』
もう少し贅沢を言えば、
『777』
が良いところであった。
その縁起の悪い受験番号を食堂のおばさんに伝えると、
「あら、何言ってるのっ、あのね、4って数字は、シアワセの4なのよ。だから、きっと合格よっ!」
との、思いもよらぬ激励に私は感銘を受けた。
その反面、これは後の話になるが、私は卒業検定で、緊張のあまりか3回もエンストをしてしまった。検定終了後に、よく会話を交わしていた鈴木教官から、
「どうだった?うまく出来たか?」
と、声を掛けられた。
私は、
「いやぁ、3回もエンストこいちゃいました」
と、うなだれて返事を返した。
鈴木教官は、私にトドメを刺すかの如く、
「なにっ、オメェ、3回もエンストしたの、ダメだっぺっ、今回は諦めれっ」
「ははは…ですね…」
私はこの時、
『アメとムチ』
という言葉が頭の中を駆け巡った。




