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オジサンの会話

10月半ばとはいえ、白河市の気温は連日20度を超え日中は夏を思わせるような暑さであった。

特に教習車のハンドルは重く、切り返しの多い教習所内でのコースで教習している若者の殆どが、


「マジ、アチィーな…」


を連発している程だった。

それだけに朝晩と日中との温度差が激しく、風邪をひき始める生徒もいた。


そんな最中、私の路上教習も回を重ねひと通りの検定コースを走った。路上教習は全部で13時間。その内の4時間がシュミレーション教習である。だから、都合9時間しか路上に出ることが出来ない。日にちに換算して3日である。この短い時間で3つある検定コースをすべて把握し、なおかつ要所々々、つまり、どの位置で切り返しが行われるのか、どの地点からスピードを緩めお客さんを乗車させるポイントにつけるのか云々をマスターしなければならない。

また、あるコースには、畑の真ん中の十字路に4ケ所全部赤の珍しい点滅信号がある。

赤の点滅信号は、いわゆる一時停止の意味であるが、タイミングを見てスムーズに発信しないと、


「何やってんだぁオメェ、後ろ、つかえてるべ。はやく、出れっ」


と鈴木教官の叱責を受ける。


その畑の真ん中の細い道は、まさに国道357号線なみの交通量で(少し大袈裟だが)、


(こんなところが検定コースだったら、たまんないな…)


と、いつも思っていた。


畑の道を抜け大通りに出て教習所へと帰る。教習所への帰路、大手パチンコ店の前を通るが、そのパチンコ店を通る度に、教習所の近くのコンビニでの見知らぬオジサン達の会話を思い出した。


「最近、何処其処のパチンコ店は、出ねえなぁ」


「ああ、海なんかサッパリだァ。そう言えば○○最近来ねえなあ?どうしたんだべ」


「やられてんだべ。だってよ、海なんて、ハマって、ハマって、ハマった後に出るべ。あれじゃ客がいなくなるべ」


「まあな」



私は、コンビニが地元住民の憩いの場と化していることに、何故かほのぼのとした気分になった。





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