桜吹雪のデューク東郷
約40分の適性検査を終え、直ぐに、
『第二種免許用運転適性検査診断書』
が配布された。
総合評価は、[0]~[4]までの5段階評価となっており、
私の診断書には、
[2]
にマル印が記してあった。
診断書には、
《2以上の場合、要注意》
とある。
各項目欄に目を移すと、
[D]
の欄の、
[自己中心性]
には、
[4]
に、マル印が記してあった(同じく2以上の場合、要注意とある)。
今回の適性検査では、すべての質問に対し、すべて正直に、ありのまま答えた。
そう、こと適性検査においては『嘘偽りは通用しない』ということがはっきり分かった。
何回も適性検査を受け、その度に検査結果に驚愕したが、今はっきりと悟った。
(運転適性検査恐るべし!)
と…
この日は、午前中に3時間、午後3時から6時まで3時間、計6時間(うち技能教習3時間)の教習だった。夕食を摂って教習所を出たら、時計の針は既に7時を回っていた。
宿舎シュプレームの門限は夜の10時(消灯が11時)。
門限までは3時間足らずしかない。下手にスロットでも打ちに行って、9時を過ぎたあたりから、『爆連』でもされてはたまったものではない。私の性格から、『爆連』終了後にも、
(まだ、出るんじゃねえの)
と、止めることが出来ず、結局、閉店まで打ち続ける恐れが十二分にあった。
(門限を破ることは出来ない)
門限を少し過ぎるくらいたいした問題ではないが、今まで収容生活が長かったせいか、何故か、ルールだの規則だのを忠実に守ってしまう癖がついてしまった(因みに私は、シュプレームに滞在中、すべてのルールを忠実に守って生活した。全然自慢にならないが…)。
だから、
(スロットはやめとくべ)
となり、岩盤浴に行き疲れを癒すことにした。
国道4号線沿いに、
『癒しの刻』
というスーパー銭湯があった。
私はダメもとで電話をかけた。
プルルルル
プルルルル
「はい、癒しの刻です」
と、女性の声が受話器から聞こえた。
「あのう、刺青は、オーケーでしょうか?」
と、聞いてみた。
「ええ、岩盤浴だけなら、大丈夫ですよ。更衣室にシャワーもついています」
「えっ、マジっすか」
「ええ、マジっすよ」
と、電話口から笑い声が聞こえた。
この『癒しの刻』は、シュプレームの帰り道にあった。
私は、『癒しの刻』に向かう車の中で、
(そういえば、家の近所のスーパー銭湯は、入り口に、ゴルゴ13のデューク東郷が桜吹雪の刺青姿でライフルをこちらに向け、『刺青禁止…』と、クールに呟いた絵が貼ってあったな…)
と、私はデューク東郷の刺青姿を思い出した。
世界最強のスナイパー、デューク東郷。
その腕を認められ、とうとうスーパー銭湯からも依頼が来るようになったか…




