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第二十三話 合同演習

『ーー自明党の幹事長、阿野部氏が献金を受け取っていた疑いがーー』

『ーー昨日の大雨による川の氾濫で関東エリアに住む少年二人が行方不明にーー』

『ーー天気予報です。梅雨前線の動きが例年以上に遅くーー』


 流れるニュースはまるで子守歌。強弱のない声は、疲れた体に更なる怠さをもたらした。


「……このまま寝てしまいたい」

「ダメだよ。ちゃんと家に帰らなきゃ。それともここに泊まってく?」

「そしたら朝も訓練になるじゃん。身体が保たないから無理」

「情けないなぁ」

「奈々とは鍛え方が違うんだよ。悪い意味で」


 日課ーー強制じゃないからなーーの訓練を終えた後、談話室のいつもの場所を奈々と二人で占領している。

 今では夜遅くなっても何の問題もないのでーーお袋も実は継魂者だったことが後に発覚したーーここに泊まるのも別に悪い選択肢ではない。こうやって、ゆっくり奈々と話すことができるのは至福の喜びだ。そう、朝の訓練さえなければ、むしろここに泊まりたいと思っている。

 親父はほとんど帰らない。家のことなど気にしてもいないし、別に訓練をするわけでもない。というか、普段どこにいるのかさっぱり分からない。


「そういえば、奈々は朝練のおかげで寝坊はしたことないな。そこは素直に凄いと思う」

「そう?ありがと!」

「でも代わりに授業中寝てるよね」

「あはは……お恥ずかしことで……ってあれ?」


 ……ある意味いつも通りの現れ方だな。


「拓也、今日の訓練はいつもより気合い入ってたじゃん。なんかあったのか?」


 俺と奈々が切り上げた後も、一人で訓練を続けていたようだ。風呂上りなのか、顔も随分と火照っている。


「何かあったんじゃなくて、これからあるんだよ。まだ話は聞いてないかな?」

「さあ? 少なくとも、お前がこんなにまじめに訓練するような事情は知らないな」

「痛いとこつかれたなぁ。まあ僕にも多少の見栄ががあるってことさ。詳しい連絡は追々来ると思うよ」

「ケンヤは初めてだもんね。なかなか楽しいイベントだよ!」

「そうなのか? それじゃ、期待して待つとするか」

「でも、ケンヤはちゃんとメンバーに選んでもらえるのかな? お留守番になるかもね」

「は? なんだって?」

「あ、そうか。そのことはすっかり忘れてた!……ケンヤ、選ばれなくても、グレちゃだめだよ?」

「な、なんなんだよさっきから! はっきり言え! はっきり!」

「ごめんごめん! そんなに怒らないでよ。今のは、五年に一回、東海エリアと関東エリアの間で行われる合同演習。そのメンバー選考の話さ」

「メンバー選考? サッカーとかで日本代表を選んだりするあれだよな?」

「そう。今年の演習は東海エリアでやるからね。全員で押しかけるわけにはいかないでしょ? だから出向く側のエリアは、毎回人数を絞らなくちゃいけないんだよ」

「ちなみに私と拓也は毎回選ばれてるよ。判断基準はよく分かんないんだけどね。あんまり気にしないことにしてるし!」


 なんだその前情報は。自慢か? 自慢なのか? こっちからしてみれば『選ばれなっかたらどうしよう』って心配になるだけなんですけど! 拓也からいじられるネタにならないように、平静を装わないと……。


「ケンヤ、顔に『選ばれなかったらどうしよう』って書いてあるよ。そんなに心配しないでよ」

「なっ!」


 マジでエスパーかよ! 心を読むんじゃない!


「ねえ拓也? そんなのどこに書いてあるの? 私には全然見えないよ?」


 奈々はさも不思議そうな表情を浮かべながら、俺の顔をじっと見てくる。


 ああ……こっちは本当に癒しだなぁ。流石マイエンジェル。


「あれ? 今度は顔が赤くなったね。随分と忙しいなぁ」

「なっ!」

「あっ、本当だ。赤くなってる!」

「いちいち確認するな!」


 拓也のやつ、覚えとけよ……。いつか絶対泣かす!

 あっ、そういえば……。


「奈々、ちょっと訊きたいんだけどさ。少し前に、二人で瀬戸博士のところに行っただろ? 俺の能力について調べるために」

「え? ああ、そういえばそんなこともあったね。まさかケンヤが能力を二つも持ってるなんて、あの時は想像もできなかったよ」


 奈々が本部に帰ってきたその日に、『未来視ディフィニット・アイ』のことは話し終わった。奈々からは様々な感想をもらったが、同時に怒られてしまった。こういう大事なことはすぐに相談すること。これは耳にたこが出来るほど言い聞かされた。

 俺の能力は相当に特殊なものらしく、詳細を聞いた倉橋さんからも静かな雷を落とされてしまった。何故もっと早く言わなかったのですか? いったいどういうつもりなのですか? 厳しく問い詰められ、身が縮む思いだった。 

 最後に、これで作戦の幅が広がるのでいろいろと忙しくなりますから、失礼します。といって指令室に籠ったのを見てから、倉橋さんと、上田さんをはじめとする参謀達の姿を見た者はいない。ただ、食事を運ぶ給仕のおばちゃんは除く。


 また、瀬戸博士に依頼し、既に能力についてきちんと検査をしてもらった。結果は予想通り、今まで確認されたことのない、新種の力であるとわかった。魂の消費が大きく、連戦や大規模戦闘の際に使えるような代物ではないと釘も刺された。使用時はペース配分を重視しなければならない。

 そして、それを踏まえ、俺は自分でルールを作った。『日常の訓練などで力を使わない』というものだ。前みたいな非常事態が、またいつやって来るかわからない。備えが大事というのは身に染みた。いざという時に魂が空では、ただの木偶の坊だ。

 しかし、今回訊きたいのは『未来視ディフィニット・アイ』とは別件だ。


「俺が火操術を使うと分かった時に、博士が言ってただろ? 東海エリアに一人、同じ力を使う奴がいるって」


 火操術に関しては、ずっと訓練を続けている。もちろんこちらも魂の消費量が多いことに変わりはないが、『未来視ディフィニット・アイ』に比べれば、まだ少なくて済む。対利島の時はたまたま上手くいったが、まだほとんど使えないのが現状だ。一人でやるのにも限界があるし、せっかく他に使える奴がいるんだから、協力して訓練した方がいいだろう。

 それにしても、奈々の顔が引きつっているような見えるのは気のせいか?


「……それってさ、多分誠のことだよね。誠……誠ね……。紹介するだけでいいの?」

「ああ。そこからは自分で、その誠くんとやらにお願いするからさ。火操術の使い方を教えてくださいって」


 前に博士に頼まれた時。そして今も、奈々は随分と歯切れの悪い様子だ。珍しい。


「奈々、その誠ってのは嫌な奴なのか? 話すのも嫌だって言うなら無理するなよ? 俺もそんなやつとは付き合いたくないし」

「いやいや! 別に悪い奴じゃないよ。根は良い奴だと思う。ただ……ちょっとね」


 ちらっと視界を拓也のの方に向ければ、いつものにやけ顔を拝むができた。ということは、絶対に碌なことじゃない。


「おい拓也。詳しい話を聞かせてくれよ。お前、説明するの大好きだろ?」

「説明大好きだって? 僕ってそんなにお節介かな? 残念だけど、今回のことはさっぱり分からないや」


 白々しい! 奈々に訊き辛いから頼んでるんだ。頼んでないことは説明してくるのに、こっちからいけばこの仕打ちか。たまにはまともに答えてくれよ!


「……まあいい。行けば分かることなんだろ? 気長に待たせてもらうさ」

「行ければだけどね」

「うるさい」

「大丈夫だと思うけどなぁ。試しに桜に訊いてみたら? 選ばれる為の基準とか」

「メンバー選定って倉橋さんなの?」

「そりゃそうさ。うちのトップなんだから、いろんな作戦が頭の中にあるだろうさ。そこで役に立たない人なんて、連れて行く意味がないよ」

「はっきり言うよなぁ、お前」

「取り繕っても仕方ないじゃないか。枠は少ないんだから、僕達だって必死なんだよ。せっかくの交流の機会を逃したくはないからね」


 枠が少ない……か。何をするかも知らない俺にとっては正直、必死になる理由がない。誠くんとやらに火操術を教わるにしても、何やらワケありのようで不安だ。選ばれたらそれを譲る……程やる気がないわけじゃないが、奈々達と比べればその熱意の差は明らかだ。いい加減な気持ちで選ばれてしまったら、他に行きたがっていた人たちに申し訳が立たない。

 やはり倉橋さんのところに出向いて、選考の中から外してもらうように頼むべきだろう。メンバー発表の日も近いようだし、早めに連絡を取らないといけないな。


 _______



 翌日、俺は作戦司令室に向かった。

 未だに誰も出て来ていないそうだが、倉橋さんに『忙しいとは思いますが、話があります。お時間いただけますか?』とメールしたところ、了承のお返事が来た。会議の時間を潰すのは申し訳ない。しかし、会議が終わってからではおそらく遅いだろう。すぐに会ってもらえたのは、かなりありがたいことだった。


 入室の基本。まずはノックだ。中の雰囲気が柔らかいといいんだけど……。


「失礼します! 准将、細川ケンヤ! 参謀長にお話があって参りました!」


 ……准将。いい響きだよなぁ。警備員の時は……いや、思い出すまい。


「どうぞ、お入りください」


 扉を開け、中に入る。見えたのは、長机を囲む、スーツの方々。

 凄まじい既視感デジャブ。というか、つい先日と完全に同じ風景だ。


 皆さんもれなくやつれた顔で、お疲れの様子。すぐに終わるので、勘弁してください。

 ……本当は倉橋さんと一対一で話したかったんだが、こんな状況で贅沢は言ってられないな。


「今日はお願いがあって来ました。急なことで、少し失礼だったと思います。すみません」

「いえ、気にしないでください。いきなりで申し訳ないのですが、すぐに本題に入って頂けると助かります。私達もそろそろ会議を終わらせて、解散しようと思っていますので」


 そ、そうだったか。タイミング悪かったな……。それにしても、倉橋さんも余裕がなさそうだ。あまり強くない身体で無理をしているのだろう。言われた通り、早く終わらせた方がいいな。


「もうすぐ東海エリアとの合同演習があると聞きました。しかし、全員が行けるわけではないとも聞いています。そこで、もし俺がメンバー選考で選ばれるようなら、そこから外して欲しいんです。俺が行くより」

「お断りします」


 ……まだ喋り終わってないんだけどな。倉橋さんは相変わらず、有無を言わさない迫力を持っているよな。……あれ? 皆さんまで、なんでそんなに俺のことを睨むんですか?


「押し付けがましいと思われるかもしれませんが、伝えておきます。この数日、私達はあなたのことを中心に話してきました。今まで戦力が足りず、実行できなかった作戦がたくさんあります。あなたがその部分を埋める鍵となるのです」


 ……そう言われてもな。俺にできる範囲のことならなんでも協力する。かといって期待されすぎるのも、それはそれで重たいんだが……。


「もちろん、今のままのあなたにはとても任せられません。利島中将と戦い、生き残った実績は大きいですが、偶然の要素も多分に含まれています。全てをあなたの力だけでこなさなくてはいけないのです。

 東海エリアには、神村 誠という方がいらっしゃいます。細川さんと同じ、火操術を得意としている方です。ただし、熟練度は桁違いです。

 今回の合同演習の間、あなたには彼の元で火操術の訓練を重点的に行ってもらいます。先方には既に話を通しておきました。申し訳ないですが、ここまで作成してきたプランを、細川さんの一存で壊すことなどできません」


 つまり、俺の力はまだまだ弱くて使い物にならないから、師匠をつけて徹底的に力をつけてこい、ってことか。

 武術も火操術も中途半端に訓練するよりは、どちらかを集中して上達させた方がいい。今回は丁度良い機会だから、先に火操術を身に付けるべきだと、そういう結論になったんだろう。


 ……そういうことなら、俺の意思はもう関係ない。やる気なんて関係ないんだ。『やる』という選択肢以外、俺には残されていないのだから。なんだろう、悪くない気分だ。


「分かりました。皆さんのご期待に添えるよう、精一杯やらせて頂きます!」

「お願いしますよ? 本当に大事なことなのです。

 ……私も少し疲れてしまいました。会議はここで解散とします。参謀の皆さん、お疲れ様でした。選考結果発表の日まで、ゆっくり休んでください」

「お疲れ様でした!」


 司令室から解放された参謀達は、晴れやかな顔で各々の部屋に向かった。出口に殺到した人参謀達に圧倒され、部屋に取り残された俺は、部屋から出るタイミングを見失ってしまった。

 部屋に残ったのは、俺と倉橋さんの二人だけ。……どうしたものか。


「倉橋さん、お疲れ様でした」

「ありがとうございます。細川さんは気が進まないかもしれませんね。無理なお願いだということは重々承知です」

「いえ、行きたくないというわけではないですから。今はむしろ楽しみです」

「そうですか……それでしたら私も安心です。そろそろ、私も失礼しますね」


 気のせいだろうか? 時々、疲れた横顔の中から、抑えている表情が見え隠れしているようだった。


「倉橋さん!」


 去り際の倉橋さんを、無意識に引き留める。


「何か良いことありました?」


 こんなことを訊くのは失礼だと分かっていたが、どうしても気になってしまった。

 倉橋さんの嬉しそうな顔を、初めてみたから。


「……ばれてしまいましたか。皆さんに悟られまいと気を付けていたのですけど……。仕事に支障がでてはいけませんし」

「差支えなければ、その理由を教えて頂けませんか?」


 倉橋さんは少し迷った後、はにかみつつも笑顔を見せた。花も顔負けの、美しい微笑を。


「東海エリアにいる妹に久々に会うことができるのが、とても楽しみなんです」


 ______


 俺がびっくりしている間に、倉橋さんは部屋を出て行った。俺も慌てて部屋を出て、本来の生活に戻ろうと訓練場に向かった。

 とはいえ、時間はかなり遅くなってしまっている。残っているのは、元々上位の実力を持ち、次の選考結果の中に、自分の名が含まれていることを願う者達だけだった。

 そんな中、既に自分だけがメンバー入りを決定されていると知らされて、なんだか居心地が悪くなってしまった。

 奈々や拓也、清水さんの姿も見える。それぞれが真剣な顔で走り、跳び、刀を振るっていた。


「あっ、ケンヤ! 話はもう終わったの?」


 こちらに気付いた奈々は跳ねるようにこちらに駆け寄ってきた。


「まあな。詳しくは後で話すよ」


 奈々には予め、辞退するつもりだと伝えておいた。最初は説得しようとしてくれたが、結局は納得させた。


「あの後考えたんだけど、やっぱり勿体無いよ。ケンヤだったら間違いなく選ばれると思うだよね」

「それなんだけどな。……とりあえずこれ使って汗拭いたほうがいいぞ。風邪引くからな」

「え? そうだね。ありがと」


 持ってきたタオルを奈々に放る。相当長い時間訓練していたからか、奈々が汗を拭いた後、タオルはかなり湿っていた。


 ……別に他意はないぞ。俺は変態じゃない。


 話を誤魔化そうとしたのは、単にこの場で話すのが躊躇われるからだ。こんな話を聞いて、いい顔をする人がいるはずはない。もう人気は少なくなっていたが、安心して話せる環境が欲しかった。


「奈々もそろそろ訓練終わりにするかい? 僕は先に失礼させて貰うよ」


 拓也は随分と気合いが入っている。こいつがこんなに真面目なのは初めてだ。


「どうして拓也は合同演習に参加したいんだ? お前がここまで執着する理由なんて、俺には見当もつかないぞ」


 俺の場合は、火操術を教えて貰うという目的がある。最初はただの興味程度だったが、今は本気で頑張ろうと思っている。こいつはこいつで何かあるに違いない。


「そうだね……。東海エリアでしか見られないものがあるからかな」

「見られないもの?」


 確かにエリアを跨げば珍しいものがあるかもしれないが……。


「観光しに行くんじゃないんだろ? 向こうの本部とかで缶詰めにされるんじゃないのか?」

「多少の自由は許されるさ。本部からあまり離れなければ問題ないし、向こうの人もそんなに過敏じゃないよ」

「そうなのか……お土産とか買わないとなぁ」

「え? でもケンヤって辞退したんじゃ……?」

「……と、とりあえず二人ともシャワー浴びてからゆっくり話そうぜ。拓也の部屋に集合な」

「なんで僕の部屋?」

「しのごの言うな」

「まあいいけどね。それじゃ、また後で」

「はいはーい」


 のんびりと風呂に向かう二人を見送りながら、ほっと溜息を吐く。


 これで一安心か……。拓也の部屋は鍵が掛かっているのは間違いない。先に行っても暇だし、どうしたものか。


「細川、ちょっといいか」

「はい?」


 突然、背後から声が聞こえたことに驚いたが、そういえばこの人もいたなと今更ながら思い出した。


「清水さん、何か御用ですか?」


 清水さんと会話する機会は少ない。訓練で一緒になることは多々あるが、俺は訓練についていくので精一杯だ。世間話などをしている余裕はない。向こうもそれを察しているのか、話しかけてくる様子もない。決して無口ではないはずだが。


「もうすぐ合同演習があることは知っているだろ?」

「もちろんですよ。僕も選ばれるように頑張ってます」

「それはお前の意志か?」

「……もちろんですよ」

「それはまた随分と意外だ。てっきり、面倒くさがって辞退するもんだと思ってたんだがな」


 ……相変わらずストレートな人だ。


「そんなことないですよ。俺だってたまには頑張ってます」

「そうか。なら、俺の思い違いだ。すまなかった。気にしないでくれ」


 清水さんはそう言って、出口の方に向かって歩き出した。しかし、数歩進んだところで立ち止まり、振り返った。俺を見つめる顔は、清水さんらしくない、迷いを含んだものだった。


「細川、試験のことを覚えているだろう? あの時、お前は間違いなく本気で、俺を殺すくらいの気概を持っていたよな?」


 ……いったい何が知りたいんだ? よく分からないが、これだけは言える。


「殺すは言い過ぎですけど……間違いなく本気で、清水さんを倒すつもりでしたよ」


 それを聞いた清水さんの顔から迷いは消え、代わりに鋭いまなざしを向けられた。

 何も言わずにまた歩き出す。ドアが閉じる寸前に聞こえた声は空耳だったのだろうか。


「変わったな。細川ケンヤ」


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