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人と人。
昔、学校の先生が言っていた。人との出会いは、奇跡のなかの奇跡だと。同じ時代、同じ国、同じ場所、同じ学校、同じクラス。同じクラブ、同じ町内、同じ学校、同じ会社、同じマンション。人との出会いは貴重なもの。奇跡と奇跡の、そのまた奇跡。ただ、誰かとすれ違うだけでも、それは奇跡になりうる。運命の人、なんて言葉が世の中にはあるけれど、運命の人は今の知り合い、これからの知り合い、すべての人に当てはまる言葉なのかもしれない。
回しても、どこかかみ合わなくなった鍵。どんなに大好きな人でも、自分とぴったりと合うということはなく、やはりどこか食い違いが生じる。ぴったりと合うひとは、きっといないのだろう。好きだなと思うこともあれば、腹が立って喋りたくないときもある。誰かを完全に理解するなんて不可能なことなんだろう。それでも人は新しい誰かと知り合う。話す。通じあったり、その逆もしかり。自分の鍵がはまる鍵穴を探し続ける。鍵穴は、いつになったら見つかるんだろう。