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第拾参話 混戦、開戦

こんにちは。

どうも蝸牛です。

本日も僕の物語を楽しんで頂ければ幸いです。

それではどうぞ。

退院した次の日。

いつかの体育館で闘うことになった。雨だし授業後(しかも夜)なので周りは暗い。どうして昼休みとかにパパッとやらなかったのだろう。申し訳ないが、眠い。さっさと終わして帰りますか。そうしましょう。

「一人合点はなんか気持ち悪い。止めて貰える?」

「分かったけど面倒くさい。眠い」

「さっさと終わしましょう析華さん!」

「貴方たちの思考はどうして似てるのかしらね。共有?」

・・・止めてくれ気持ち悪い。本当にこんな変態と一緒にしないで欲しい

「うるさいロリコン」

あ、そこ触れちゃうんだ。僕が必死に隠し通そうとしてた僕の嗜好を。僕が目を背けてた現実に。

「よし!揃ったな!ささっと始めよう!」リーダー格の男。

まずこの間虫を失って絶望していた男がまた飛ばす。今度は・・・甲虫か。鍬形も所々に見える。刺さったら痛そうだ。

リーダーが風で加速。・・・単調だな。

「炎の防壁!」

「そう同じ手に引っかかるかよ!おい窓次!」

真っ向から飛んできてここで燃えかすになるはずだった虫は、下から突き上げるように僕だけを包んだ。

・・・何故?何故?・・・焔は分かる。炎の鎧を纏っているからだ。焔自身はかなり暑そうだが。

析華は?何故?

「何故って・・・虫除けスプレー。基本でしょ?能力判明してるんだから」

涼しい顔してんじゃねえ!この間にも僕の体はどんどん削られてるんだぞ・・・!

残念ながら僕は自己再生能力とかは強化できない。自分でやってみても駄目だった。

痛い。必要以上に。・・・毒?・・・痺れてくる・・・!どうしようか。ここで僕が離脱したら・・・困りそうもないけどこの間情けない姿を晒した弱みがあるからな・・・。病原・・・ウイルス・・・抗体!抵抗力くらいなら・・・どうだ?

・・・出来た!体が多少軽くなってきた。来たぞこれは。よし、まだ闘れる。

強化した手刀で甲虫を粉砕しながら敵に接近。殴りかかって・・・

!?

僕の渾身の打撃は敵に当たることも無く炎の鎧を今なお纏っている焔に当たった。

「「!?」」僕と焔は一緒に悲鳴を上げた。

まず焔。顔を殴られた所為か口から血が流れた。身構えてなかった所為かダメージは深刻だ。

次に僕。炎の所為で、手がただれた。痛い。絶対水ぶくれ出来るな。鬱陶しい。

いきなり鋭い音が鳴って電球がはじけた。

「析華!」

そう叫んだきり声は返ってこない。その代わり、足下にシャーペンが落ちてきた。成程。闇に乗じる作戦か。

思っている暇はない。目標が定まらないのでさっきのパンチのように行かずにワープ(?)させられた文房具が飛び交っている。

析華は目が見えているので躱せると思うが・・・僕らは?考えてくれよ。チームプレイって言った矢先だろ?全く。

こめかみにペンが突き立った。万年筆みたいな物だから刺さりはしないが・・・もしかしてわざとか?だったらふざけるな。今ので脳震盪を起こした僕は、意識はあるが動けなくなっていた。

あいつらも目が慣れてきたようだ。自然と析華が追い詰められる。

「・・・お前等こんなに弱かったか?正直拍子抜け。これで昇級試験とか、片腹痛いな」

析華が、遂に傷つけられないよう手加減された手刀で沈められた。案外紳士だな。

「くっそ・・・・・・・・・ありがとな」

「・・・?まだ起きてたか。礼を言うなんてとうとうおかしくなっちまったか?」

「・・・そうかもな。お前等僕たちにチームの大切さを教えてくれたんだろ?・・・ありがとな」

「そんな胸クソ悪いこと誰がするか。気持ち悪ぃ」

・・・こいつとは仲良くなれそうだな。

あいつには感謝しよう。チームという物を再認識させてくれたお礼、後できっちり倍にして返さなくては。

それからしばらく、析華達が起きるまで、思いの外気持ちいい、敗北の余韻に浸っていた僕であった。

ありがとうございました。

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