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第拾弐話 敗因そして退院

昨日は本当にすみませんでした。

以後気をつけます。

よろしくお願いします。

・・・傷は結構癒えてきた。

幸いなことにあれ以降も治療は続けてもらえて、(析華に手刀を食らった後だが)もうほとんど完治していると言っていい状態にあった。

現在僕たちが負けたあの日から、3週間になった。退院前日だ。

この間、

「退院したら最初に闘ったあの三人と再戦だから」

と言われた。正直・・・取るに足らない・・・のか?

「退院か・・このボロい病室に居るのもあと一日か・・・」

「大抵は俺等が来てから付いた傷だけどな」

・・・そうだった。院長さんに土下座して(させられて)許してもらったのだった。

「今日は析華が居ないから平和だな」

「・・・認めたくないけど同感。これ以上病室を壊したら出禁になるぞ」

「市民病院に出禁って・・・相当レアケースだよな」

「前代未聞だ」

あれ・・・何この雰囲気。シリアス展開?止めろよ!お前今何してもこれまでのイメージは直らないぞ!・・・・・・僕もだけど。

「俺たちの敗因ってさぁ。・・・チームの意識不足だったんじゃないかな」

「意識不足?」

「今回はさ。チームプレイって言っても、個人技が多かったろ、だからだよ。仲間っていう意識が強い方が勝ち残る。そういう試験だったのかなって」

「・・・・・・」

止めろ。止めてくれ。僕は今それは期待していない。こんな退院前日というなんか寂しいときに。なんだかんだ言ってムードメーカーの析華が居ないときに。そんな重苦しい話をするな。

・・・なんか・・・本当に空気読めないよな。コイツ。

「・・・まあ、そうだな」

「だからさ。これから皆で修行的なことをしていこうじゃないか」

「語尾がそれだからお前が析華目的で言ってることが分かった」

「何故ばれた!?」

「そこで疑問系に、いや、愚問系に出来るところがお前のいいところだよな」

「愚問!?」

「何か不服か?」

「だって・・・お前析華と付き合ってるんでしょ?」

・・・来たよ。勘違い。

「いや。付き合ってないよ」

!何を言ってるんだ僕はあああああああああああああああああああああああ!殺される!打ち首獄門さらし首!

「ぬるい。ファラリスの雄牛よ」

聞いてたしぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!知らない人は、絶対に検索しちゃだめだよ★

「っこれは・・・これはですね。深い訳が」

「無いように見えたけど。さっきの貴方の思考は最新式のパソコン並みに薄かったけど」

「それは薄い!業界最薄!」

・・・何言ってるんだろ。僕。

「まあ、コンビネーションを重視は私も考えたのだけど」

「・・・そうなんだ。って何で話が先に進んでるの!?」

「何?私の優しさよ。それとも貴方が鉄の牛の中で焼かれていく様が楽しいと思う?私は一向に構わないけど」

「ドS復活!・・・すいませんでした」

「分かればいいの。で、具体的にはどんな?」

「?それは析華さんが考えるんじゃないんですか?」

「呆れた。どれだけ愚劣なのかしら。いっそゴミにでも出してしまった方が世のためね」

怪我人に向かってなんてことを!

「まあ、発斗がサポート専用、俺と析華さんが二人で敵を圧倒・・・」

「私情が入ってる。ていうか、殺すわよ」

「発斗がチームから抜けて、俺と析華さんが」

「それじゃあ成立しない。ていうか、殺すわよ」

「じゃあ発斗を殺して、」

「だから意味がない。ていうか、殺すわよ」

「じゃあ僕と析華さんが夜の学校で」

「殺すぞ」

「申し訳ありませんでした」

「・・・とりあえず三人とも基本戦闘参加、析華が状況に合わせて戦線離脱ってのは?」

「それ採用」

「えぇ!?それだったら最初の僕の案の方が」

「殺すぞ」

「もうそれしか言えなくなってる!?」

・・・ということで、僕たちは退院前日にもかかわらず、一日中病院の壁や窓を心配しながら過ごす羽目になったのだった。

ありがとうございました。

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