最終話 新たな道
その夜以来、マーガレットの運命は変わった。
王妃の庇護の下、彼女は正式にドレスデザイナーとして認められた。
最初は反対した父親も、彼女の作品が王国中で称賛されるのを見て、ついに理解を示した。
マーガレットはもはや「悪役令嬢」ではなかった。
彼女は王国随一のデザイナーとなり、そのアトリエには貴族から平民まで、あらゆる階層の女性が訪れるようになった。
エリザベスは彼女のビジネスパートナーとなり、2人は小さなブティックを開いた。
「時々、昔の自分を思い出すわ」
ある日、アトリエで新しいコレクションのデザイン画を描きながら、マーガレットが呟いた。
「あの高慢で孤独な令嬢だった頃を」
エリザベスが笑いながら答えた。
「でも、本当のあなたはいつもここにいたのです。針と糸と、美しいものを作り出すこの手の中に」
マーガレットは自分の手を見つめ、ほほえんだ。
彼女はついに、2つの顔を1つにすることができた。
社交界で演じ続けなければならなかった仮面を外し、裁縫とデザインへの情熱に正直に生きる道を見つけたのだ。
窓から差し込む陽光が、作業台の上に広げられた絹の生地を照らした。
そこには、鳳凰が月に向かって羽ばたく新しいデザインが描かれていた。
傷つき、もがきながらも、再び立ち上がり、より高く舞い上がる鳥のように。
マーガレット・フォン・シュタインベルクは針を取り、新たな創造の旅へと歩み出した。
もう誰にも遠慮する必要はない。
彼女の物語は、ようやく始まったのだった。




