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第5話 運命の舞踏会
年の最大のイベントである王宮舞踏会が近づいていた。
マーガレットはこれまでで最も野心的なドレスを作り上げていた。
夜空を思わせる深い藍色のベルベットに、星のように輝くダイヤモンドのビーズが散りばめられたそのドレスは、まさに傑作だった。
しかし舞踏会の前日、とんでもない事件が起きた。
マーガレットの使用人がデザインを盗み、マーガレットの最大のライバルであるヴィクトリア令嬢に売り、先に同じようなドレスを仕立て上げたのだ。
「どうしよう……マーガレット様のドレスとそっくりですわ」
エリザベスが青ざめて報告してきた。
マーガレットの顔から血の気が引いた。
しかしすぐに、彼女の目に決意の炎が灯った。
「ならば、一夜で新しいドレスを作ればいい」
「そんな無茶な!」
「できるわ」
マーガレットはアトリエに駆け込み、すべての生地と材料を前に並べた。
エリザベスも手伝いを申し出た。
2人は夜を徹して作業に没頭した。




