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第3話 転機
数日後、公爵邸で開催された茶会で、エリザベスのドレスが破れてしまう事件が起きた。
誰もが冷笑する中、マーガレットは思わず立ち上がった。
「なんて無様な。私の部屋に来なさい。今すぐ直してあげる」
周囲の驚きの視線を背に、2人はマーガレットのアトリエへ向かった。
エリザベスが秘密の部屋を見た時の驚きようといったらなかった。
「まあ……これ全部、マーガレット様がお作りになったのですか?」
「黙っていなさい」
マーガレットは素早く針を持ち、破れた部分を見事に修復した。
それだけでなく、シンプルなドレスに小さな刺繍を加え、まったく新しいものに変えてしまった。
「なぜ……私を助けてくださったのですか?」
エリザベスが不思議そうに尋ねた。
マーガレットはしばらく沈黙し、ようやく口を開いた。
「美しいものが無様にされるのを見るのは耐えられない。それだけよ」
だがその言葉には、これまでになく柔らかい響きがあった。




