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赤い糸

 心臓は、飛び切りの愛を生み出し続ける。

 生まれた愛は絡まり、赤い糸となる。

 糸は、街へ伸び、僕を引きずる。

 息を切らしながら走る僕の視界には同じように糸に引っ張られた南後さんが映る。

 その瞬間、互いの糸が宙で止まる。


「好きです」


 僕は口に出していた。

 南後さんとは同じクラスだが、一言も話したことは無い。

 僕なんかが話していい人ではない。

 そんな人に告白してしまった。

 後悔と期待が脳を刺激し、体の奥から熱くなっていく。


「私も」


 互いの糸が動き出す。

 糸同士は交差し、二人の小指に結ばれていく。

 幸せだ。


「君の名前を教えてもらっていい?」

「上田、上田博です」

「私は南後咲。よろしくね」


 これが初めての会話。

 恋愛は運命だ、そう信じることにしたんだ。


 ……………………

 

「誓います」


 二人は口を揃えて世界に誓った。

 揃えた口は重なっていく。


 僕はそれを見ているだけ。

 二十年前に結ばれた糸は、もう無い。


 おめでとう。

 

 そう呟くと、咲は笑う。

 だから、僕も笑った。

 小指には何も結ばれていないまま。

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