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白澤の書付  作者: 堂前千代
7/8

7.流言

 供は断った。四条にある屋敷からそれほど遠くない場所である。二条にある式部大輔の屋敷に出向くのでもないのであるから、形式もいらない。幸いにも今日は晴れている。赤と青が交わり薄い紫が広がるこの時刻に、既に白く丸い月も出ている。

 そう言って匡積が供不要の旨を説くと、少しばかり不服そうにして従者は了承を返した。その姿が菓子を取り上げられたわらべのように不憫で、ほんの少し、申し訳なく思った。


 そうして匡積は今、三条の東の際の碌に整備もされていない小路を一人歩いている。


 既に空からは赤色が消えたが、西の端はまだ明るかった。東は深い藍色に変わりつつあるが、白く明るい満月が闇を抑えている。

 それがなんだか、心強く感じた。


 手に提げているのは借りた衣服の入った包である。特に何も考えず浅葱の布でくるんだが、そう言えば明雪と出会ったときも浅葱を身に纏っていたなと思い出す。一言目に「浅葱の方」と呼ばれたのを覚えている。


 薄暗い中に淡い青緑が映えていて夏らしくて良い。


 ふと、己の直衣に目が行った。今日、身に纏っているのは縹である。宵闇と同色なのはあまり映えぬな、と少しばかり後悔した。


 目を少し遠くにやれば、見覚えのある巨木が見えた。


 少しばかり、胸の鼓動が早くなったことを自覚する。胸から首を伝い、耳奥で規則正しく刻まれる音が、妙に可笑しかった。


 明雪はいるだろうか――そう考えて、いなければ意味がないのに、と自分に呆れる。いると思ったのだから来たのだ。いなければ、また来れば良い。


 ひっそりとして人気もない庵の戸口に立つ。そっと声をかけようとしたところで、するり、と戸が開いた。


「ようこそ、四条殿」


 ぼう、と白い装束姿の白い髪を持つ明雪が、戸口の前に浮かんだ。


「……明雪、殿」


「おや、狐につままれたような顔をしておられますな」


 ただ名を呼んだだけの匡積に対する明雪の言葉は、容赦なかった。可笑しそうにくつりと笑う明雪の細い目が、狐のように見えて、この男こそが白狐なのではないか、などと思ってしまう。


「夏が来たとは言え、夜は冷える。入られよ」


 そう短く言って、明雪はさっさと奥へと戻っていく。よく観ている割にはこちらのことには無頓着なのだな、と匡積は呆れたような感心したような複雑な気持ちになった。


 庵の中は、外の薄暗さに反して、仄明るかった。


 それほど広くない庵であるからであろう。燭台の明かりがいくつかあるだけで、十分な光量を保っていた。


「それで」


 息つく暇もなく、明雪が切り出す。


「何か御用がございましたかな?」


 音もなく腰を下ろすと、狩衣の両袖を払い、姿勢を正す。そんな明雪の仕草が、水田に降り立つ白鷺のように見え、匡積は訳もなく感心した。


 匡積も、明雪に倣い、出来るだけ優雅になるように座るが、出来ていたかどうかは定かではない。

 一度呼吸を整えるように深呼吸をすると、明雪に向かって、抱えていた浅葱の平包を押しやった。


「お借りしていた水干にございます。助かりました」


 淡々と、あまり過剰にならないように礼を示す。


 明雪は「ああ」と、今し方思い出したかのように声を上げてから、お役に立ったようで何より、と軽い調子で言った。


 匡積は明雪が浅葱の布に手を伸ばすより早く、その平包の上に懐から出した青白磁の合子ごうしを乗せる。白磁がくすみ、ひびや欠けのあるそれは、しかし蓮の意匠が施された気品のあるものであった。


 包に手を伸ばしかけた明雪の手が止まる。


「それは?」


 問われて、一瞬口ごもる。小さく息を呑んでから、口を開いた。


「練香、です。醴の、礼に」


 訥々と答える声が、震えてはいないかと匡積は気になった。口の中が渇いている気がして、上手く舌が回らない。


「それは……些か……」


 過分であると言いたいのだろうと、匡積は気が付いた。明雪の声が、今までとは全く別の、戸惑いを含んだものであったからだ。胎に重いものが落ちてきたように感じる。


 それをこらえるように、袖で隠した拳をきつく握りしめた。


「先日の、醴。あれには、随分と助けられましたゆえ」


 途切れ途切れの言葉が口から零れ落ちる。その声に何の情感も乗っていないように感じられることに、匡積は自分の声ながら戸惑った。


 じ、と明雪の視線が合子に注がれる。

 やがてゆるりと息を吐きだした明雪が、包ごと合子を手繰り寄せた。


「お役に立ちましたなれば、ようございました」


 言いながら、明雪がそっと合子に手を伸ばす。匡積は小さく喉を鳴らしてそれを見守った。


 明雪が合子の蓋をとると、中には小さな黒い丸が三つほど鎮座していた。


 明雪は今宵の満月のような瞳を隠し、香に鼻を近づける。すぅ、と一度息を吸うと、目を開けて、今度は黒丸に指を押し付た。黒いものが付いた白い人差し指を鼻に寄せ、親指とこすり合わせる。再び目を閉じて、すぅ、と鼻から息を吸った。


 美しい所作だと白い庵主を見て匡積は思う。それはまるで祈りに似ていて、何やらひどく尊いもののように思えた。


 静まり返った室内に横たわる沈黙は、しかし明雪の明らかな呼吸によって打ち破られた。


「結構なものを、いただきました」


 真っ直ぐに匡積を見て、明雪が言う。合子を床に置くと、暫しお待ちを、と衣を抱えて明雪は姿を消した。

 次に現れた時には、手に瓶子と盃を二つ携えていた。


 匡積の斜め横に、ごとり、と音を立てて瓶子を置くと、明雪はその前にどかりと座る。その様子は先ほどの鷺のような風情とは違うので、思わず匡積は目を見開いた。


「醴ごときであれを頂いてしまっては、こちらとしても苦しい。受けていただけませんかな」


 そう言って盃を差し出す明雪が、今までのどの明雪よりも人間らしかった。

 漸く、匡積の顔に笑みが戻る。


「それでは、相伴に預かる」


 差し出された盃を受け取ると、すぐさま酒が注がれた。それを受けて、己も瓶子に手を伸ばすと、それに気づいた明雪が瓶子から盃に持ち替え、匡積の酒を受けてくれた。


「人の世とは、わからぬものですなぁ」


 目を細めた明雪が、低く笑う。その様子がやはり白狐のようで、匡積はどうも落ち着かなかった。

 この御仁は、一体全体何者だというのだろう。


 しかし、それを問うことは、この柔らかな時間を全く別なものに変えてしまいそうで、匡積には口にすることができなかった。


「わからぬ、とは」


 代わりに、その言葉の真意を問う。


「人は思う通りにはならぬ、ということです」


 確かにその通りだ、と匡積は思った。何せ、自分自身のことでさえ、思う通りには行かないのだ。


 現に、匡積とて目の前の男に香を渡すことになるとは思ってもいなかった。何か礼をしたいとは思っていたが、その礼に香を選ぶことになるとは、露ほども予想していなかったのだ。ただ、この簡素な庵にそぐわぬものは避けたいと思った。庵主たる明雪の好き嫌いなどの情報もなかった。金銭のやり取りなど興ざめである。

 さすれば、必然的に、選べる手段は限られた。その中で、香が一番手に取りやすかっただけである。


 香は、幼き頃に祖父から基礎を叩きこまれた。いずれ必要になるからと、丁寧に教えてもらった。匡積の性格に合っていたらしく、筋が良いと褒められたのを覚えている。

 残念なことに、祖父が死ぬと材料を集めるにも事欠くようになったがゆえに早々触ることはなくなった。それでも一人で香を練るのは気分転換になったため、少しずつ続けていた。今回の香は、あるだけの材料でできる限りのものを作ったと自負している。


 そんな《《なけなしの香》》を素性もわからぬ相手に送ることになろうとは、匡積自身、天と地がひっくり返ったようなものだ。


「自分のことも、自分の思う通りには行かぬものですから」


 言って匡積は酒を煽る。きつく香る酒精が、心の内のどこかの紐を解いた気がした。


「ほう」


 明雪が短く相槌を打つ。それが心地好くて、匡積は一つ頷きを返して続ける。


「先日、妹に言われてしまったのですよ」

妹御いもうとごに?」

「ええ」


 そうして、匡積は論語を教えたくだりを明雪に打ち明けた。ともすれば妹の評価に差し障るものであったが、この男なれば悪いようにはならないだろうと、匡積には思われた。

 明雪はくつくつと肩を震わせて笑い、妹御も大変であったろう、と労った。


「『人のあやまつや、おのおのその党に於いてす。あやまちを観て、ここに仁を知る。』」


 ぽそり、と明雪がつぶやいた。それを耳にした明雪の杯を傾ける手が止まる。


「御存じでしたか」


 論語を、とは言わずに訊くと、これだけです、と明雪は答えた。


「私も全ては存じません。習うことはなかったので。ただ、多少聞きかじった時に、必要だと思って覚えました」

「医道は、どなたに」

「それは祖父に」


 打てば響くように帰ってくる言葉が、心地よかった。成程、と頷いてから、匡積は少し考える。


「御祖父様も、医士で?」

「二十年程前まで、典薬寮におりました」


 二十年とは、随分と前である。匡積がまだ十にも満たない子供だった頃だ。その頃に医道を学んだということであろうか。あるいはその後なのか。祖父から教えを受けたと言うのであれば、父君はどうされたのか。

 全く、この明雪なる白銀の男は、何者なのであろう――


「典薬寮と言えば」


 明雪の言葉に、はっとして意識を戻す。いつの間にか、沸き上がる疑問に押されて意識が深く潜っていたようである。

 そんな匡積を気にする様子もなく、明雪は楽し気に続けた。


「何やら奇妙な噂があるようですな」


 にぃ、と目はそのままに口元にだけ大きな弧が描かれる。

 ぞくり、と背筋を何かが走ったような心持がして、匡積は息を呑んだ。


「……鬼火、ですかな。よくご存じで」


 平静を装い、淡々と返すと、そうそう、とやはり楽し気に明雪は頷いた。


「典薬寮には知人がおりますゆえ。京の端にいても、案外流言(うわさ)というのは届くものなのです」


 それを聞いて、匡積は納得する。やはりこの男は、貴族社会になじみのある男なのだ。そしておそらく、それは博嘉のような上級貴族ではなく、よくて匡積のような中級貴族か、或いは下級貴族の家の出であろう。時折見える粗雑さが、少しだけ、自分の侍従と重なって見えた。


「気になりますか」


 鬼火が、と匡積が問うと、明雪は笑みを崩さずに全く、と言った。


「全く?」

「あんなもの、別に珍しくもなんともないのですよ」


 しれ、と言い切る明雪の言葉に、匡積はあんぐりと口を開けてしまう。


「珍しく、ない?」

「ええ。貴方はご覧になったことが?」


 有るかと問われて勿論無いと答える。それ以外に答えようがなかった。


「そうですか、それは残念。では、今度機会があれば御覧に入れましょう。なあに、ただ暖かい日の一晩を外で過ごすだけです」

「暖かい日の、一晩?」


 そこで、ふと思い出す。博嘉は何と言っていただろうか。


 ――夜にしては生温い風が吹いていたというのだ。


 それはつまり、外気が暖かかった夜ということではないのか。

 はっとして明雪に視線を向けると、その男は手ずから酒を酌み、軽く呷った。


「鬼火と言えば、動物の霊魂だとか、人の怨念だとか、皆がそんな風に言うからまるで怖ろしい怪異のように騒がれていますが、観察すれば何のことはないよくある一つの現象なのですよ」


 明雪はそう言い切ると、口元に白い指を立てて、少し思案してから、おもむろに立ち上がった。そのまま戸口に向かい、裏無うらなしをひっかけるとこちらを振り返る。


「見ながら説明したが早い。こちらへ」


 言うが早いか、するりと庵を出て行ってしまう明雪を匡積は慌てて追いかけた。

 浅沓あさぐつを履いて庵を出る。すでに闇は深くなっていたが、煌々とした満月の光があたりを照らしていた。視線を彷徨わせると、異質な白い塊が見え、それが明雪であるとはっきり分かった。


 小走りに移動し、明雪に追いつくと、待ち構えていたかのように明雪は匡積の方へ反転した。


「この辺りは、薬園の一部を模してある」


 そう示されたのは、鬱蒼とした庭ともつかない何かだった。月光があるとはいえ、夜である。そこに何かが生い茂っているのはわかったが、それが何かは判別できない。ただ、水の匂いと草の匂い、それから土と僅かに香ばしい匂いがした。


「薬にはさまざまな薬草を組み合わせますが、物によっては湿地を好むものがあるのです。あそこに生えている之布木しぶきなどはそうですね」


 明雪は一角に見える白い花を挿してそう言った。良く茂っている様を見ながら「もっとも、あれは植えたのではなく勝手に増えたのですが」と呟く。


「薬園にも、湿地帯があると?」


 明雪が言わんとするところを捕らえて匡積が問うと、ご明察、と白銀の男は笑った。


「おそらく、噂の鬼火が現れたのはそこでしょう。鬼火が確実に見えるのは、このような湿地帯でしたから」

「確実に、ですか」

「ええ」


 ただ言葉を繰り返すだけになりつつある匡積に、明雪は楽し気に微笑んで見せる。


「春に馬の糞を湿地帯に入れてかき混ぜておくとね、今頃に光るんですよ。足元から、ぼう、と小さな光が上がってくる。それが本当に火であるかは、正直なところ分かりません。恐らく火であろうな、とは思いますが」


 運が良ければ誰でもみられる程度のものです、と言ってから、明雪は肩を上下させて大きくため息をついた。


「鬼火なんてものは、その気になればいつでも見られます。毎年のようにある。帝が即位なさった時も、内親王がお生まれになる直前にもありました。逆に先の帝がお隠れになる直前にも、酷い日照りがあった時にも、鬼火は見えなかった。ただ単に、春に馬糞を土に混ぜた年の夏の初めに、そういうものが見える日がある、というだけです」


 それは実感のこもる呟きだった。帝の即位はおよそ十年ほど前の初夏だ。内親王が生まれたのは七年前の今頃である。先の帝が崩御したのは五年ほど前の冬で、酷い日照りがあったのは三年ほど前の盛夏であった。

 それは、明雪の継続した観察の結果であった。常に変化の有無を記憶した者の論理だった。


 この男の観る力は異常だが、正しい。


「では、典薬寮の鬼火とは」


 合点がいったように匡積がつぶやくと、明雪は静かに首肯し、あからさまに呆れたようなため息を漏らした。


「特別怪異として何か意味のあるものではございません。それが起きる仕組みには、何やら意味があるのかもしれませんが、まつりごとを左右するようなものでないことは確かでしょうな」


 全く管理がなっていない、と明雪がぼやく。それがまるで書の管理がなっていないとぼやく自分を想起させて、何とも言えない気持ちになった。


 ふと、匡積は思い出す。


「ああ、それで……」


 得心とくしんがいったとばかりに頷いていると、明雪がちらりと視線を寄越した。それに気づき、一度大きく首を縦に振った。


「少し気になったので、聞いて回っていたのですが」


 匡積が言うには、典薬寮の関係者は鬼火に半信半疑、或いはそれを取るに足らぬ事と見ていたのだという。噂の中心は、典薬寮を離れた内裏で頻繁になされていた。その乖離が奇妙に思えてならなかったのだ。

 何のことはない。典薬寮においては、あるのが当たり前なのだ。


「鬼火の噂の発端になった、薬生の方々にも話を聞きました」

「そこまで調べられたのですか」

「少し、忠告も受けました故」


 明雪の声に驚きが含まれているような気がして、匡積は気恥ずかしくなった。この博識で知見のある男にそう言われるのは、どうにも落ち着かなかった。


「薬生の方々は、今回始めて見たので興奮して話していたのだというのです。直ぐに典薬大允てんやくのだいいんに諭されてやめたのだと言っておりましたが」


 恐らくは、それを漏れ聞いていた何者かが、鬼火の話を広めたのだろう。そう言うと、不意に明雪は眉間にしわを寄せ、明かな不満顔になり、毒を吐くように口を開いた。


としてとして、これ南箕なんきを成す

 譖人しんじんたれまさともはからん」


 酷く冷たい声が響いた。冷たいのに触れれば火傷では済まないだろうとも思うような声。丸で鬼火のような青い炎が、白い明雪の後ろに見えた気がした。


 瞬時に匡積は明雪の怒りを理解した。


 明雪が口にしたのは三史五経で学ぶものの一つ、詩経にある一節である。讒言を憂い戒めるそれを引用したのは、典薬寮を巻き込んで騒動を起こした相手を非難するものであった。


 在りもしない話を誇張して、いったい誰が企んでいるのか――と。


 びゅう、と風が吹いた。


 烏帽子が飛びそうになり、匡積は慌てて手を添える。勢いの強さにとっさに目を瞑り、風をやり過ごす。それは一瞬で、すぐさま、凪いだ月夜が戻ってきた。


 そ、と息をつき「驚きましたな」と言いながら眼前の明雪へと目を移し、


「!?」


 そこに白い人影はなかった。

 慌てて振り返ると、既に庵の戸に手をかけている明雪が見える。


「明雪殿」


 言いながら追いかけると、何とも思わないような調子で「さて」と明雪は切り出した。


「もう夜も更けてまいった。そろそろ戻られるがよろしかろう。妹御もお待ちでしょうからな」


 言って庵に消えた明雪は、しかしすぐに戻ってくる。手には浅葱の布が奇麗にたたまれていた。


「今宵は良い夜でございました」


 そ、と差し出された布が、否応なく別れの時を告げているのを悟る。受け取るべきなのにそれに手を伸ばしたくない思いを、匡積は自覚せざるを得なかった。

 匡積は、この男との次を求めている。


「二十年前の」


 なかなか布を受け取ろうとしない匡積に気付いたのか、明雪が柔らかな声で言う。


「二十年前の、典薬寮について調べてごらんなさい。貴方様の知りたいことが知れるでしょう」

「それは、どういう……」

「お待ちしていますよ」


 問いに答えは帰ってこなかった。己の言いたいだけを言って、明雪は匡積に布を押し付けてくる。今度こそ受け取らぬわけにもいかず、しっかりと布を胸に抱いた。


「では、また」


 その声は強く静かだった。これ以上は長居ができないと悟り、匡積は礼を返し帰途につく。

 明雪は真っ直ぐに進む匡積の背を、いつまでも見送っていた。

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