白澤の書付
時は平安。図書寮の次官を務める中級貴族の源匡積(みなもとのまさづみ)は、祖父から知性を、父から善性を、母から美貌を受け継いだ貴公子であったが、相次ぐ肉親の死去による孤独を抱えながら日々を過ごしていた。
ある雨の日、京の東端の草庵で世俗を離れた不思議な隠者、明雪(めいせつ)と遭遇する。白銀の髪と冷たい月のような瞳を持つその男は、捉えどころのない怪しさを持っていた。
明雪は初対面のはずの匡積の心を見透かし、私は貴方を知っている、と笑う。人ならざる気配をまとう明雪に、匡積は恐れを抱きつつも、なぜか強く惹かれていく。
時を同じくして、内裏では典薬寮の薬園に「鬼火」が現れるという噂が立ち込めていた。
単なる怪異か、あるいは人の悪意による陰謀か。明雪は匡積を、この事態を解き明かす「適任者」だと見定める。
異形の見た目を持つ明雪に導かれ、止まっていた匡積の時間が動き出す――。
傷ついた貴公子と白銀の知者が織りなす平安宮廷ミステリー。
※直接的な残酷描写、暴力描写、性描写はありませんが、それらを想起させる書き方をしている部分があります。また、今後レイティングが変更される可能性もあります。ご了承ください。
※※カクヨムにも同じものを投稿しています
ある雨の日、京の東端の草庵で世俗を離れた不思議な隠者、明雪(めいせつ)と遭遇する。白銀の髪と冷たい月のような瞳を持つその男は、捉えどころのない怪しさを持っていた。
明雪は初対面のはずの匡積の心を見透かし、私は貴方を知っている、と笑う。人ならざる気配をまとう明雪に、匡積は恐れを抱きつつも、なぜか強く惹かれていく。
時を同じくして、内裏では典薬寮の薬園に「鬼火」が現れるという噂が立ち込めていた。
単なる怪異か、あるいは人の悪意による陰謀か。明雪は匡積を、この事態を解き明かす「適任者」だと見定める。
異形の見た目を持つ明雪に導かれ、止まっていた匡積の時間が動き出す――。
傷ついた貴公子と白銀の知者が織りなす平安宮廷ミステリー。
※直接的な残酷描写、暴力描写、性描写はありませんが、それらを想起させる書き方をしている部分があります。また、今後レイティングが変更される可能性もあります。ご了承ください。
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