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陰謀 ――ハンケ村開拓日誌

王歴896年3の月 記録:パタス・ムーア


王都の野菜店にアズマの実を卸すため、再びロイドを派遣してから三ヵ月以上が経過した。

ハンケ村と王都の距離なら遅くとも二ヵ月あれば往復できるはずだが、いつまで経ってもロイドは帰ってこなかった。

これは何かあったに違いないと、他の者を王都へ派遣してみたところ……恐ろしい事実が発覚した。


なんとロイドは王都を混乱に陥れた大罪人として捕らえられ、ひと月以上も前に処刑されていたのだ。

罪状は「人体に害のあるアズマの実を流通させた罪」。なんでも私たちのアズマの実を食べた者が、次々に体調不良を起こしたのだという。

アズマの実は野菜店を介して王都の有名料理店にも卸されていたため、被害者は数百名にも上った。ロイドはこの大規模食中毒事件を起こした犯人として捕まってしまったのだ。


王都にはいまだ「危険なアズマの実の産地についての情報を集めています」という貼り紙が出されているそうだ。

あのアズマの実がハンケ村産であることはバレていないらしい。……つまりロイドは最期まで情報を吐かなかったのだ。きっと私たちに被害が及ぶことを恐れて。


……馬鹿げている!

私たちが丹精込めて育てたアズマの実が毒だと!? あの優しいロイドが罪人だと!?

これは何かの陰謀に違いない! きっと何者かが私たちを陥れようとしているのだ!

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