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足りない
あの子は話が面白い。一緒にいて楽しい。
だからあの子に必要にされる自分になった。
僕の親は真面目な僕が好き。
だから親の好きな自分になった。
親が離れた。
親の好きな自分から開放された。
少し時間がたち、あの子と離れた。
新しい面白い子たちがいた。
だからそのグループの性格に合わせた。
親が帰ってきた。
僕は怯えて親の好きな自分になってしまった。
自分と本当に気が合う人がいた。
けど気が合うのは自分であって僕じゃない。
人と話すと息が苦しい。
僕が居なくなるような気持ちだ。
いきがくるしい。もうなくなりそうだ。
なぜか涙が出てきた……
その日は学校を休んだ。
いきがくるしいが、気分は良かった。
自分を見せる必要はなくなった。