表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

邂逅と決別

作者: 祁答院 刻

きのうはもう死滅した


やわらかな新生の光に焼かれ

ちりぢりにすらなった


わたしはただ呆気なく

手一杯に溜めた砂がこぼれきるのを待つように

無力にわらっていた

 もう何千と夕日をみた


きのうが風化して

きょう雨が降って

あしたが流れ堕ちてゆく


御覧

生花まがいに咲いている

毒々しい造花のむれを


御覧

しろい(ページ)を濡らすことしかできない

いっきくの淡雪を


時が気まぐれに行き交う 雑踏で

ひとは迷える子羊となり

そして

きのうは死滅した


人生は

(かな)しい一冊の本であり

      本でしかなかった

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ