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虫、どこ行った!?

 パパとお風呂に入るとき、床に小さな虫を見つけた、たーくん。





た「むし、いるよ! これ、なんのむし?」





パ「んー? なんだろね、これ」





 そこへ、虫と聞いて駆けつけたママ。米粒より小さなその虫を見て





マ「それ! ゴキの赤ちゃん!!」





 と叫ぶ。たーくんの前ではあるが、ゴキとあれば仕方がない。無闇やたらと殺傷するものではないぞ、と思いつつ、親指でプチ。





た「パパ、虫のあかちゃん、どこいった?」





 幼子に、簡単に「死」という言葉を使わせたくない。どうしたものか……と思案し、こう話してみた。





パ「虫さんはね……ここではないどこか、そう『幽世(カクリヨ)』へ……行ってしまったんだ……」





 たーくんは、既に船のおもちゃに夢中だった。




 

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