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#04.娘が可愛いすぎて仕方ない

久しぶりの更新です

「さて、料理作るかのう」


「何を作りますか?」


「何作るの?」


「雑用は任せろ」


「狭いわいぃぃぃぃぃ!」




 さすがに、このスペースに4人は狭い。

 というか、邪魔だ。




「ソラ、うるさい。まぁ、僕達のせいでもあるから仕方ないか」


「というか、なぜ、リン様とレイ様までもが」


「いや、2人を働かせて自分だけのんびりしてるのもね」


「私も私も」




 2人は、罪悪感から手伝ってくれるらしい。

 言い方が悪いなぁ。2人とも、よくお手伝いをしてくれるからいつも通り手伝ってくれるようだ。

 だが、この人数では逆に効率が悪くなる。




「仕方ない」




 ソラは、指を弾いた。

 キッチンに『パチン』という音が響く。

 すると、部屋に禍々しくも美しく光る扉が現れた。




「ほれ、わしの個人的なスペースじゃ……って、リン待つのじゃ。……大きくなったと思っておったがまだまだ子供じゃな」


「わーーーーい」


「まぁ、まだ中学生だしね。って、リン気をつけて」




 レイの注意も聞かずに満開の笑顔で禍々しくも美しく光る扉を躊躇なく開きダイビングする。




「わーーーーーい。いでっ」




 頭から思いっきりダイビングした。おでこと鼻の先が少し赤くなっている程度で済んでいるのはさすがソラの娘としか言いようがない。




「だから言ったのに」


「まぁ、入れ入れ」




 扉の中に入るように催促する。中は真っ暗だ。

 ソラが入った瞬間、明かりが灯る。どうやらソラが、スイッチになっていたようだ。




「わぁ! 眩しい」


「強くしすぎたか。すまぬな。調整は苦手なんじゃよ。細かいのより、思いっきりばばばぁとするのが好きなんじゃよ。例えば、大量の人間を殲滅することとかのう。わしらの妨害となりそうなもんが一気にいなくなるとスッキリするんじゃ……」


「てい」




 レイが躊躇なくソラの頭にチョップを繰り出した。ソラにとっては痛くもなく避けることも出来たのだがとりあえず受けておこうと思ったらしい。レイがわかりやすく『てい』と言ったのがいい証拠だろう。




「とりあえず、理由を聞くぞい」




 レイがソラの耳元に寄って囁く。




「すぐ、暴力的にならないの。リンも聞いてるんだから。少なくとも、僕の妻である間は控えてくれると嬉しいなぁ」


「そういうお主じゃって、裏ではいろいろやっておるんじゃろ。ネチネチと」


「ネチネチは余計だよ。いいじゃん。別に、血祭りにあげているわけではないんだし」


「わしにとっては、レイの方がよっぽど怖いと思うんじゃがな」


「はいはい。今回はこれでおしまい」


「じゃな。しかし、リンが少しこういう話に疎い子でよかったわい」


「私の事悪く言ってる気がする! むうーーー」


「いえ。そのような事はございませんよ。リン様一緒に準備を始めちゃいましょうか」


「うん!」




 こういうときばかりは、九十九がいて本当によかったと思っているソラ。

 目で何やら合図をしてくる。





(これで、貸しはチャラですからね)


(はいはい。わかっておる)




 さて、そろそろ料理が始まる。

 ここまで、たどり着くのにいったいどれだけ時間がかかったことやら(当社比)。




「さて、料理を始めるかのう」


「「「おぉー」」」


「まず、今日何を作るかじゃのう。リン何が食べたい?」


「うぅーーーん」




 手を組み真剣に考えている。




「餃子ー」


「そうか。確か、材料はここら辺にあるかのう。あったぞい」


「……いやー。あのね。今までずっと気になってたんだけどね。いい機会だから聞くね。なんで光ってるんだ」


「知らんのか? 質が良ければ良いほど食材は発光するんじゃぞ。のぅ、九十九」


「ええ。一般常識じゃないですか」


「初耳なんだけど⁉︎ というか、ソラ達の常識を押し付けないで!」


「と言っても、事実じゃしな。さぁ、この肉をミンチにして」




 不思議そうな顔をしながら、肉を瞬時にミンチにしていく。絵面がひどい。




「お主ら、お手伝いをするのであろう? リンは肉をこねるんじゃ。レイは野菜。九十九は皮を作ってくれ」




 ソラがみんなに指示をしていく。それぞれが、得意そうな事をやらせている。




「調味料を入れてっと。こねこね〜♪ こねこね〜♪」


「ソラ様、できました。リン様お手伝いいたします」


「うむ。レイ手伝おうか?」


「そうしてくれると助かる」


「リン様こね終わったら手はしっかり殺菌いたしますので、思う存分こねつくしてください」




 九十九がそう言ってからリンはさらにこねるのを頑張った。餃子の肝となるあん作りは順調なようだ。

 すると、この空間に干渉しようとする気配がした。




「主人様、ただ今帰還いたしました」


十六夜いざよいまずは手を洗ってくるんじゃ。話は後で聞くぞい」


「承知いたしました」




 十六夜と呼ばれた、ポニーテールの少しつれ目な女性は手を洗いに洗面所まで向かった。ソラの指示を真摯に受け止めている彼女はいい子(?)なのだろう。ちなみに、彼女も麗しい見た目をしている。

 ところで、突然出てきたこの子だぁれ? と思ったそこのあなた!

 そうこの子がソラ直属の2人しかいない配下うちの1人だ。右目に眼帯をつけているのは触れないでおこう。決して怪我でないということはおわかりだろう。彼女達の自己再生能力をなめてはいけない。

 ということは、つまり………。うん。フ、ファッションだろう。うん。もしくは右目に何かしらのトラウマがあって隠しているのかもしれない。

 この話題は今は触れないでおこう。

 そんな彼女の普段の仕事は、リンの護衛を主に行っている。




「今日は餃子ですか?」



 手を洗って戻ってきた。




「うむ。ところでどうじゃった?」


「近くには何も。ただ、地球の者ではない何かの気配は少し。もしかしたら、私たちの同業者の可能性も……」


「お母さん! 十六夜! お仕事のお話はおしまい。餃子包む手が止まってるよ! 見ててよ。あん入れて。包んで。ギザギザ。あっという間に餃子さ〜ん〜!」


「かわいいのう。かわいいのう」




 ソラはリンが座っている長椅子の上に少しかがみながら立ってリンを抱きしめている。『可愛いのう』と言いながら頬擦りしている。レイはレイで後方腕組み状態で頭を縦に振っている。十六夜と九十九は、涙を流しながら拍手してる。

 なかなかにカオスな状況だが、リンは嬉しそうだ。

 ちなみに、咄嗟にソラがリンの手を浄化していたため、その手で背中を触られているソラの猫耳パーカー付きの服は汚れていない。もちろん、ソラ達の手も同様だ。

読んで頂きありがとうございます。

なろうの方でのアップを中止してカクヨムであげます。

せっかく書いたので、1〜4話は物語の中盤くらいに入れようかと思います。ここまでにいく過程を書きたいと思っています。



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