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dreams never end

Ani、今日は学校?

ぴんぽん! 


インターホンが鳴った、東雲さんが来たみたいだ。今日は朝6時に起きて、眠い目をこすりながら急いで部屋を片付けた。本棚にあるライトノベルや漫画を布で隠す。こういういわゆるオタクっぽい物は持ってるだけでやましい気持ちになるのは何故だろうか。ネットの人たちはどんな趣味でも素晴らしくないものはないだとか言ってるけど、実際恥ずかしい。東雲さんには見られたくない。


「お邪魔します!」


「今日はよろしく。東雲さん。」


「男子の部屋に入るの初めてだから、ドキドキするなぁ。」


東雲さんは顔を赤らめている。そんな顔をされると、こっちまで恥ずかしくなる。


「...入って...」


ドアを恐る恐る開ける東雲さん。恥ずかしいもの、出しっぱなしにしてないだろうか。一瞬不安になる。


「ふーん、結構きれいじゃん。散らかってると思ってた。」


「俺の部屋なんてどうでもいいから、早く勉強しよう。」


一時間後、机に向かい合う俺と東雲さん。集中できない...小さい机だから、否が応でも顔が間近に迫ってくる。オタクの俺は、女子と話したことさえ数える程だというのに。集中..集中だ。


「わからない問題ある...?」


こちらを向く東雲さん。息が顔に当たり、頭が真っ白になる。


「.....」


「どうしたの?」


「大丈夫、東雲さんも自分の勉強に集中しなよ。」


「それじゃ一緒に勉強してる意味ないでしょ?」


「わからなかったら言うよ。」


「それよりもさ、休憩しない?もう結構勉強したしさ、15分くらい休んでも罰は当たらないと思うけど。」


「...お茶持ってくる。」


階段を下りながら考える。...俺のこと好きなのかな。あんなんじゃ、集中できない。コップは、家で使ってるやつでいいんだろうか、普段俺が使ってるコップだから、気持ち悪いと思われるかもしれないし...。紙コップを出そう。


「はい、お茶。」


「ありがと。そこの棚にあった漫画、勝手に読ませてもらってるよ。」


「えっ...」


動揺を隠せない。オタクだということはバレたくなかった。オタクだという理由で虐められた過去が蘇る。


「この漫画、面白いね。貸してよ。」


「...いいよ。今度返してくれれば。」


「ありがと。」


よかった...気持ち悪いとは、思われてないみたいだ。


東雲さんが読んでいる漫画は、少し物語の内容が難しい。鬱病になり仕事を辞めたサラリーマンが、町で出会った一人の女性に思いを募らせるという話だ。


「この主人公、最後どうなるの?」


「ネタバレは、聞きたくないだろ。」


「そう..楽しみにしとくね。」


その漫画、俺は大嫌いだ。終わり方が最悪だから。


もう俺は居ても立っててもいられなくなった。何がしたいんだ俺は。何がしたいんだ東雲さんは。俺は本当はオタクじゃない。アメリカ人で、スポーツが好き。身長は185cmで、15歳だけどタバコも酒もやる。ワルなんだ俺は。そんな人間が、家に来た女の子に持っている漫画を読まれて恥ずかしがってはいけない。それは、オタクがやることだ。俺は何をすればいい。何をすべきなんだ。


俺は無意識のうちに東雲さんの飲んでいたお茶を自らの肛門に流し込んでいた。





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