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#15 下心満載で奴隷を買う童貞

本日二話目の更新です。

前話をまだお読みでない方はご注意ください。



「そんで? 次に俺らを派遣する戦場は決まったのか?」


『申し訳ありません、ハクヤ様。未だ情報が錯綜しており、貴族達の議会も紛糾しておりまして……。ソラリスの街の復旧もありますので、今しばらくお時間をいただけると……』



 宙に浮かぶウィンドウ越しに、申し訳なさそうな顔で俯くアンリ……この国の王女であるアンリエッタ。


 今俺は、このアンリが手配して渡してくれた通信用の魔導具とやらで、自宅に居ながらにして城の彼女とお喋りしている。


 スマホのテレビ通話なんかより全然いいよなコレ。ウィンドウはデカいし、解像度もバッチリだし。

 アンリの長い金髪のツヤも、青いクリッとした可愛い目も鮮やかに見えて、ちょっと俯き加減になると見えちゃう白く張りのありそうな胸の谷間とか……ごちそうさまです!



「んじゃ、今日はまだノンビリしてていいんだな? 買い物もしたかったし、奴隷の選定にも時間掛かるだろうしちょうどいいわ」


『奴隷? ハクヤ様、奴隷を購入なされるのですか?』


「ああ、新居の警備員としてな。冒険者やらを雇うと高くつくからって、不動産屋が紹介状を書いてくれたしな。なんかマズかったか?」


『い、いえ……! ただその、ハクヤ様は奴隷にご理解がおありなんですね……?』


「いや、馴染みも無いし驚きもしたけどよ、この国では奴隷は法律で守られてるんだろ? 衣食住の保証や契約に沿わない命令はできないとか、それなら住み込みの奉公人みたいなモンかなってな。要は奴隷を大切にしてやれば良いんだろ?」


『え、ええ。我が国では犯罪者はともかくとして、奴隷に落ちた者の社会復帰を支援していますので。これは、父である国王が制定した法律なんですよ?』



 ふぅん? あの国王が、ねぇ?

 気が弱いビビりなだけかと思ってたけど、なかなかやるじゃん国王。まあ、童貞をイジったことは絶対許さねぇけど。



「そんじゃま、今日はそういう感じで一日家を空けてるから。何かあれば魔導具に直接連絡を寄越してくれ」


『かしこまりましたわ。ハクヤ様、どうぞ良き一日をお過ごしくださいね』


「アンリも、大変だろうけど頑張れよ。何かありゃ愚痴くらい聞いてやるし、疲れたら俺ん家に逃げてきてもいいからな?」


『ふふっ。ではその時は、お言葉に甘えさせていただきますわ。それでは、これにて失礼いたしますわ』


「ああ、またな」



 別れの挨拶をして魔導具に注いでいた魔力を切る。地球には無い魔力の扱いも、コッチに来てまだ数日だが、フローラに教わってだいぶ慣れてきたな。


 いやぁ、しかしこうして毎朝可愛い女の子とテレビ通話してるとか、俺ってもしかしてリア充しちゃってるかも!?

 アンリエッタも自分から愛称であるアンリ呼びでって言ってきたし、ヤッベ俺らって相思相愛(ラブラブ)だったりしちゃう!?



「いやぁ〜、セッ〇スできる日が待ち遠しいぜ!!」



 今日は朝から良い日だなぁ!

 フローラたんはいっぱい触らせてくれたし、レイラはパンツ見せてくれたし、アンリは可愛いし。

 そんでこれから奴隷選びだぜ? ワクワクが止まらねぇぜ、正直よぉ!


 あん? 奴隷なんて非人道的?

 残念でしたぁ〜、ここは日本じゃありません〜! 〝豪に入れば郷に従え〟って、その日本の(ことわざ)でも言ってますぅ〜!!


 そんな感じでウキウキしながら、俺は外出の支度を整えて、フローラを伴って家を出たのだった。


 待ってろよ奴隷ちゃん! お前を色んな意味で可愛がってくれる未来のご主人様が、今から会いに行くからね!!





 ◇





「んで? フローラたんはいつまでムクレてんの?」


「ムクレてなどないっ。あと〝たん〟はやめろ!」



 奴隷商に着き受付を済ませて、奴隷を買いに行くと言ってからやけにご機嫌ナナメなフローラたんに訊ねる。

 いやそれ、酔っぱらいが酔ってないって言ってるレベルで信憑性が無いんだがな。



「ったく。どうせ『私では信用が足らんのか』とでも考えてるんだろ?」


「うぐっ……!」



 やっぱりなぁ。まったく、この真面目ちゃんめ。


 俺の指摘に俯いて拳を握るフローラを見て、思わず苦笑が浮かぶ。

 コイツは真面目過ぎるんだよなぁ。職務に実直なのは美点だし、そもそも美人だし俺としては何の文句も無いんだが、肩に力を入れ過ぎというかなぁ……。



「フローラのことは信用してるし、信頼もしてる。お前を処分から助けたのは同情だけじゃねぇし、お前が欲しいっつったのも本心だ」


「んなっ!? ま、またお前は、そういう恥ずかしいことを臆面もなく……!」


「何も恥ずかしかねぇよ。だけどお前一人で警備も護衛も戦いもなんて出来やしねぇだろ? 役割分担だと思って納得しろよ。俺には俺の、奴隷には奴隷の、そしてお前にはお前の役目がある。そこを履き違えんなよ? 頼りにしてるんだからな、〝俺の騎士様〟?」


「……ズルいな、ハクヤは……」



 ズルくて結構。そして恥ずかしい? バカ言え。

 お前みたく美人でスタイルも良くてしかも強い女、欲しいに決まってんだろうが!

 しかも真面目で一生懸命ときたもんだ。惚れた腫れたはあんまり慣れちゃいないが(童貞だし!)、抱きたいと、近くに置きたいと思った俺の心に何ら恥じることなどないんだよ!


 

「そう……だな。私には騎士として、お前と共に戦うという役目があるのだったな。ハクヤ、帰ったらまた訓練に付き合ってくれるか?」


「喜んで。またフローラたんの身体を思う存分堪能させてもらおうか」


「抜かせ、この変態め。次こそは一太刀入れてやるから覚悟しておけ。あと〝たん〟はやめろと言うに」



 いい顔になったじゃねぇか。

 フローラは幾分スッキリした顔で、肩からも力が抜けたみたいに、どこか安心したような笑顔を見せてくれる。


 くっそ可愛いなこの女騎士め!

 言い換えればこれって、これから買う奴隷に嫉妬してたようなモンなんだよな? なにこのコ可愛い、いっぱいちゅき!



「お待たせしました、ハクヤ様。どうぞこちらへいらしてください」



 そんなフローラたんに萌えていた俺の元へ、この奴隷商の会長がやって来て、声を掛けてきた。

 アンリに貰った王家の家紋メダルは効果抜群だな。まだ(この身体では)18の俺のような若造に対して、会長自らが本当に丁寧に応対してくれるんだもんな。


 俺とフローラは会長に建物の奥へと案内され、十人十色、千差万別な様々な奴隷を紹介してもらった。

 そして……褐色肌の双子の少女達と、一人のクッソ生意気なメスガキと出逢い、彼女達を購入することになったのだった。





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