1-1-1-7.母とアーリマンとの出会い
ステラは真っ暗な闇の中にいた。
「私は君に消されたことのある魔神アーリマンだ。君は私と同じように人間を同じだと思っているみたいだね?」
ステラは不思議な声を聞いた。
それは、魔神アーリマンの声だった。
「なぜ!? 消滅させたはずじゃないの?」
「ステラ、人間はみんな同じ人間よ。クロウトくんは、悪いことをしたの」
「お母さん!?」
今度はステラの耳にステラの母親の声が聞こえた。
「お母さん! 魔神が復活しちゃった。学園はおかしいし、どうすればいいの!?」
「みんな同じなら、みんなを殺せばいいんだよ」
魔神アーリマンの声がする。
「みんな同じなら、正しい道に進ませてあげることができる。クラス0の人たちから、ゆっくりとあなたの人生を通して、浸透させるのよ」
母の声がする。
ステラは、母の声に従うことにした。
魔神アーリマンは言った。
「戦争が起きるぞ。……魔神を消滅させる力が人間にあるなら、1人残らず殺さなければ、話し合いの通じない相手に戦う前に襲われて殺されてしまうぞ」
「話し合いしかないの。ステラが身につけた戦う力は、学園でも最高峰よ。どんなに喧嘩を売られても、悪質な行為に備えて、善の心を開花させることを目指していきなさい。これは本格的な魔神との戦争よ。必ず勝ちなさい!」
ステラは母の意見に従うことにした。
「はい。お母さん……ありがとう。魔神アーリマン、あなたもありがとう」
「いつでも私のようになってくれて構わない。人は魔に堕ちるほうが楽しくて、心も体も安らぐんだから」
暗闇が晴れ、ステラの目の前には鏡があった。
「お母さんも、アーリマンも私の心の中にいるんだ……絶対に負けちゃダメだ。逃げずに戦っていかなくちゃ!」