1-1-1-46 ワタルの落ち目
家の中でステラは何を学んでいるのか悩んでいた。
学園で学んだこと。
「ハジュン様は素晴らしい」
それは、ハジュンを讃える授業。全ての人がこの授業を受け入れて信じている。
「戦う覚悟を深めたはず」
悩みがあること以外はいつもと変わらない生活。
ご飯を食べて、ベッドで寝て、学園へと行く。
そして授業を受けて、帰って、ご飯を食べて、寝る。
ハジュンという存在の思想を根幹とする世界。
この日もステラは考え込んでいた。
ワタルがそばにいることも気づいていなかった。
「ごめんよ。本当にどうすればいいんだろうな?」
ワタルがステラに話しかけた。
「ワタル」
「俺がステラに会った時、とても驚いたよ。そして、その強さにも。俺は負けた。敵と思って戦ったのに、許してくれた。別の国に行くか?もしかしたら学園のようになってないかもしれない」
ステラは、ワタルの顔を見て泣いた。
「ごめんよ」
ワタルは謝った。
「違うよ。ワタル、どうして1人になろうとするの?」
「えっ?」
ワタルは言われたことの意味が分からなかった。
「ワタルは強いけど、この世界のみんなは弱い。この世界にワタルより強い人なんていなかったんでしょ」
「ああ」
「ワタルは何で異世界から来たの?」
ワタルは戸惑っていた。
「何だ急に……」
「ワタルは何のためにクラスを分けたの?」
「俺は元の世界で強い人に支配されていたんだ。それを受け入れてみんな生きていた。俺はそれを受け入れられずに負けて死んだ」
「そんな……」
「俺はクラスを分けたかったんじゃない。俺と同じような人を生むことになるから……」
「それじゃあどうして……」
「俺の元いた世界では、貧困と病気で死ぬ人が大勢いた。でも、俺はそれを知らない。この世界では、俺が貧困と病気で死ぬ家族を味わった。この平等に思える世界さえ、それは実現できないんだ。だから、俺がこの世界で神になって、陰からみんなを守っていこうと思って……ハジュンを生み出し、クラスを分けた」
「どうしてそれでハジュンなんて……」
「もういいじゃないか。俺が悪い。そうなんだろ」
「ワタル1人で世界は変わらない……」
「違うよ。俺は強い。ハジュンもいる。あっ……」
ステラは泣いていた。
「ワタルは1人で……」
「そうだ。そうなんだよ。ステラ、君さえ言うことを聞いてくれたならば……この世界は変わるんだ」
「ううう……」
ステラは泣き込んだ。
ワタルは「何でそんなに泣くんだよ。モンシュといい、この世界の人間で洗脳されなかった奴はどこか頭がおかしいよ」と言った。
「分からない。ワタルがどうしてそんなに神になりたいのか分からない……」
「元の世界では、神が国を作り、神が世界を守っていたんだ。ここでも同じだ」
「お母さんは言ってた。付いていく人を間違えたらみんな不幸になる」
「親もダメだ……俺の世界では誰も信じられなかったんだ。この世界でもそうなんだ」
話は平行線を辿った。
ワタルは家を出ようとした。
「もういい。俺は行くよ」
「あっ!」
そこにはクラス1の生徒が立っていた。
「私はケツチュウと言います。城の中では、父と共にいつも頭を下げていましたね。ワタルさん、元の世界もこの世界も私たちは同じです。道を開くことも閉じることもあなたにはできない。私たちの元へ来てください。そこの君、この家と共に消えなさい」
ワタルは「どういうことだ!」と言った。
ステラも「えっ!?どういうこと!」と言った。
「隕石落下」
街中の家が揺れる。
屋根が崩れ、倒れる人もいる。
「ハジュンは俺の下だろ!」
「ハジュン様は、素晴らしい……それでいいではないですか。ワタルさん、それが世界を救うのです」
ステラは隕石を空の上で止めていた。
ステラは
「隕石が落ちたら、この街だって無事じゃないのに。やることがめちゃくちゃだ。って、あの坊主頭の人……」と言った。
空を飛ぶ人を見た。
空の彼方へと消えていった。
それはまるで地上から放たれた矢のようだった。
「隕石……そうだ! 高温圧縮!」とステラは隕石を見て言った。
隕石は小さな球になった。
ワタルは、「俺は絶対に認めないからな!」と怒っていた。
アニメの影響受けすぎたな。
ワタルはどうなるのか……。




