1-1-1-39 逆らえない流れ
眠くなる小説かもしれません。
退屈と思いますが、読んでいただきありがとうございます。
ステラは、ゴウタミを連れ去った人たちを捕まえた。
「何だお前は!」とステラは言われた。
ゴウタミは「ありがとう」と言った。
ステラにとって、メアリ学園には、敵しかいない。
「私、どうしたらいいんだろう」
ステラはゴウタミに聞いた。
「早く学園を去ったほうがいいわ」
ステラは涙が流れた。
「ごめんなさい。言い過ぎてしまったわ」
ゴウタミは謝罪をした。
「違うの。私は強いし、炎も何も通用しないの。でも、それでみんなが助かるかと言ったら、そうじゃないから」
ゴウタミが今度は泣き始めた。
「ああ、私がもっと強かったら良かったのに……」
その時ステラとゴウタミは同じことに気がついたのだった。
「人を支配する人に対して、支配する人と同じでなきゃ、弱い人間は人間としての生を殺される」
それはクラス5もクラス0も同じだったのである。
「でも、そのためにアジャタはあそこで生きることができ、クロウトはみんなから賞賛された……これは仕方のないことなのかもしれない」とゴウタミは言った。
ステラは涙を止められなかった。
この学園全体がそうであるように国家や世界そのものが逆らうことのできない時流に乗っているのである。
ステラは、額を押さえて、「助けられる命より、助けられない命のほうが多いなんて……」と嘆いた。
ゴウタミは、「でも、あなたが現れなければ、それに気づくことも私には不可能だった。本当に感謝しているわ」と、ステラの手を握った。
ステラの手に涙が落ちた。
周囲の状況を忘れていたステラたち。
「こいつらを捕まえろ!」
それは、ステラにあっさりと倒された。
「人はこんなに弱いのに……この人たちは救えないんだ……」と思いを話す。
人間に弱者を支配する心が無ければ、世の中はどうなっていたのだろう。それを知る術は無い。今のところないだろうし、将来にわたってもないだろう。
ハジュンはそこに現れた。
「ああ、良いものを見せていただきました。何を驚かれているんですか?」
ゴウタミは頭を下げていた。
「ハジュン様!」と。
「私はどこでも現れますよ。心といい体といい、人間は全てにおいて優れています。それを見たいのです。それでは」と言ってハジュンは消えた。
「私は、怖い。あの人は、人のことを食い物にする魔神と同じ」
ゴウタミはそれを言ったステラの真剣な表情に驚いていた。
「ステラ……あなた本当に謎の女の子ね」




