1-1-1-38 クラス0 覇道の神官
翌日、学園にステラ、桜は行った。
アイニー、グリドラー、モンシュは学園に行かず、家で過ごすことになった。
シャープロとチーシクを警戒してのことだった。あまり刺激すると、クラス5の生徒が処刑されかねない。
「気をつけて行ってね」
仮にもクラス0の生徒であるステラ。
正真正銘のクラス0の生徒である桜。
シャープロとチーシクが手を出しても、自分たちしか被害は受けないだろう。
ステラが教室に着くと誰も近づいて来なかった。
机の中にはゴミが入っていた。
そこに一通の手紙がある。
ーーーーー放課後、体育館裏で待つ。
と書かれていた。
ステラはゴミを全てゴミ箱に入れた。
「ファイアボール」
と声がした。クロウトが言ったのである。
「いやぁ!」
ステラは髪の毛を焼かれた。
あたりを見回すステラ。
周囲の人は笑っている。
シギが入ってきた。
「ステラさん!大丈夫ですか? 髪が焼けてますよ」
アジャタが小さな声で「ファイアボール」と言った。
ゴウタミの席が燃えた。
「熱っ!」
ゴウタミは目をつぶった。
ゴウタミの席は燃えていた。
煙も何も出ずに……。
みんな沈黙した。
「大丈夫ですか?ゴウタミさん」
シギが慌てる。
「アジャタ、あなたでしょう!」
ゴウタミは怒ってアジャタの席へと向かった。
アジャタの席は5列目であった。
「おかしいな。燃えてない」
アジャタは周囲をチラチラと見た。
その時ビンタされた。
「痛え!」
シギが「ゴウタミさん! 悪女拘束」と言った。
「うっ……」
ゴウタミは拘束された。
「 嫌なクラス……」
ゴウタミは他の教員たちに連れられて出て行かされた。
シギは言った。
「アジャタさん、一緒に来てください。みなさんは自習しておいてください」
一方で、ステラは焼けた髪を濡らすためにトイレに行こうと外へ出ていた。
すると「デーヴァ・ルー・ダッタ様。ステラには成功したんですが、ゴウタミには失敗しました。申し訳ございません」
「デーヴァで良いですよ。そう簡単にいきませんね。シャープロもチーシクも失敗しました。以前の反逆者の何倍も強いようです。私もそろそろ出ましょうか」
それはシギの声だった。
デーヴァ・ルー・ダッタというのが本当の名前なのだろう。
ステラは焼けたように見えた髪を元に戻し、教室に戻った。




