1-1-1-32 神官ハジュンの登場
家に帰ると、ステラは、アイニーとグリドラーから出来事を聞いた。
家とは、ワタル、桜、メリーがいる場所でもある。
ワタル、桜、メリーが頭を下げてきた。
ワタルが言った。
「申し訳なかった。俺はステラに嫉妬していたんだ。ごめんなさい……本当にごめんなさい」
ステラは慌てていた。
「そんな、私は皆さんのお陰でここにいられるんですから!むしろ、私はいつもありがとうございますという思いです」
桜は謝りながら、
ステラのスカートの匂いが気になり、嗅いでいた。
「ステラさん、ごめんなさい。私……私……」
アイニーとグリドラーは無表情だった。
メリーは頭を下げて、泣いていた。
「ごめんなさい……」
ステラは聞いた。
「洗脳は解けるんですか?」
ワタルは言う。
「洗脳は時間をかけないと解けない。神官も邪魔するかもしれない。協力し合おう」
こうしてやらなければならないことはあるが、仲間同士では平和な日常が取り戻されたのだ。
次の日、仲良く登校というわけにはいかない。
アイニーは
「学園の反感買うかもしれないから、先に行くね」
と言って出ていった。
グリドラーも同じだ。
学園は、いつもよりとても静かだ。
クラス0の緊張感が漏れて、クラス2の生徒の1人が失神したために、殺されるほどだった。
ステラも教室でその緊張感を見ていた。
誰も話さない。
教員のシギも何も言わなかった。
トンッ……トンッ……
ドアが叩かれる。
シギはドアを開けると即座に膝をついて頭を地面に付けた。
みんな同じようにした。
ステラもそれに従った。
異様な空気が入った。
「もう頭を上げていいよ」
「頭を上げていいよ」
高い声と低い声が聞こえた。
それは男と女だった。
ハジュンは2人いた。




