1-1-1-27 クラス5の生徒
クラス0に戻ったステラ。
ゴウタミが話しかけてきた。
「あなた、やっぱりすごいのね」
「あはは……仲間が強かったんだよ」
ステラは、頭を掻きながら、ゴウタミの方を見た。
「それで、クラス5にアイニーとグリドラーという生徒が入ったらしいわね」
「えっ!?」
ステラは立ち上がった。
クラスの子たちからの視線を浴びる。
「後で話しましょう。私も注目されると困るから」
教室にはシギが入ってきた。
「ああ、ステラさん、1週間依頼をこなして、お疲れ様でした」
「先生も知っていたんですね」
「ええ、まあ」
ステラは再び視線を浴びる。
「ステラさんが連行したクラス5の子は、こちらで何とかしますね」
「何とかと言いますと……」
「それは気にしないでください」
ステラは、その力で何とかしようと思うことは無かった。
むしろ話し合いによって解決できないことは無いと思っていた。
そしてクラス5では……。
アイニーとグリドラーはクラス5に入ることになった。
どちらもそれを受け入れていた。
「グリドラーはクラス5というのを知ってる?」
「クラス5というのは、クラス0〜クラス5までの人間の階級の中で1番下というのを指すみたいだね。かつて存在した階級による様々な役割の制度を、上から下を支配するための制度にしたものだ。これは、人間の社会ではよくあることのようだよ」
「やっぱり人間の社会は不思議だね」
クラス5の教員、シャープロがアイニーとグリドラーに近づいた。
バシンッ!
アイニーは殴られて、こけてしまった。
「痛い……」
「やはり殴れる女というのはいい。君は放課後私のところへ来なさい。たっぷりと可愛がってあげるからね。君たちも来るんだよ」
連れて行く生徒一人一人の頭に手を乗せて、声をかける。
「いいね」
シャープロはニヤリと笑っていた。
女の子からは涙が出ていた。
グリドラーは、それを見ているだけだった。




