1-1-3-36 クラス0の変化② できることから始める
クラス0の教室内。
その1人の生徒、アイナは言う。
「本当にそれは正しいの?ぼくは教えてほしい」
ホン・リーエンは言う。
「ステラの世界というのが正しいのかどうかは分からないわ」
ニーロートパラはこの話の最中、本を読んでいたが、話に入ってきて笑みを浮かべて言う。
「そうなんだね。本当に正しいのか分からない。そう言うことを言うのには何か理由があると思ったんだけど、聞きたいな」
アイナは言う。
「そうだよ。ぼくたちは、父や母から、それより前の祖父や祖母から、そのもっと前の世代から神官として生きた家系だ。それがホン・リーエン、あなたの言葉を聞くと、否定されるように聞こえるんだ。突然だよ。突然。あなたは確かに学園長の末裔でしょう。誰も逆らえない。でも父や母たちにも逆らえない。ぼくはどう思えばいいの?」
クラス0の生徒たちは動揺した。
ホン・リーエンは言う。
「そうね。突然のことを言ってごめんなさい。私への信用は今日限りね。……さっき話したことも忘れて。……この学園に入った私たちは、この世界に生まれてきて17年ほどしか経ってない。卒業すると……どうなるのかも分からない。誰も望んでいないこと……ステラ先生、私たちはこう生きるしかないのかしら?」
ステラは言う。
「それはみんなで考えたい。でもその時は……いつまでも待っていられない。プンダリーカを呼んでもいいかな」
クラス0の生徒は黙っていた。
「みんなそうだよね。
自分がいる場所を守ることが大切だと思う。
ホン・リーエンも頑張ったよ。
ニーロートパラは何か言いたいことあるかな」
ニーロートパラは言う。
「この世界は不思議だよ。
自分を中心に世界が回っている。
そして他人を中心に世界が回っている。
何を中心に回っているのか分からない。
何が大事なのかも分からない。
異世界でもそうだったね。
地球が中心に星々が回る世界観を持つ人々がいた。
次は太陽を中心にした世界観。
でも結局は太陽を中心にして回る太陽系が中心ではなかった。
ぼくはこう思った。
星々から見て〝ぼくたちの暮らす星〟を中心に回っていると思ったならどうなっていたんだろうって。
この学園もそうなのかもしれない。
ぼくたちは……これ以上は言えないよ。
ステラ……ぼくはまだ何も言えない」
ステラは言う
「それでもいいけど、私は聞きたいな」
ニーロートパラは言う。
「いや、でも……」
ステラは言う。
「聞きたいな」
ニーロートパラは言う。
「みんな怒るよ」
ステラは言う。
「私はあなたを否定も肯定もしない。できることなら聞かせてほしい」
クラス0の生徒は頷いた。
ニーロートパラは言う。
「ハジュン様のことだとしても言うね。
ぼくはハジュン様を中心に世界が回っていると教えられてきた。
この17年という時間、何もかもハジュン様を中心にして考えていた。
みんなそうだと思う。
でもこの世界は本当にそうなのか?
ハジュン様は何もしていない。
ぼくたちを見ていたのは事実だ。
でも何もしていない。
ハジュン様はぼくたちの周りを回っていると思っていると、思っていいんじゃないか」
みんな何を言っているのか分からないといった顔をしていた。
ステラは言う。
「そう思うと、ハジュンにも優しさがあると思える。……星々から見たら中心であるのは異世界の地球そのもの。異世界の人々が自分の住んでいるところを中心と考えた時、星々は地球だけでなく一つ一つの別の星を中心に考えたかもしれない。もしかしたら中心というより点と線で考えたかもしれない。
服を縫うように。
着られる服は限られているけど、たくさん縫われているように。
この世界も同じなのかもしれない。
ハジュンは一つの点でしかない。
私たちも……その一つ」
ニーロートパラは言う。
「もう、最初から言ってほしかったよ」
クラス0の生徒は沈黙していた。
ホン・リーエンは、目を丸くしていた。
そして話し合いとなった。




