1-1-3-31 紅蓮華、青蓮華、黄蓮華
ホン・リーエンはある生徒と一緒にいた。
ニーロートパラという髪の長い男の子。声がよく響いた。それでいて、多くの人を安心させるような声であった。目が青く、髪は黒い髪に青い髪がいくつか交わっている。
ニーロートパラは言う。
「今、先生がいるのではないですか?」
リーエンは言う。
「ええそうよ。ニーロートパラ、先生がここにいるわ。私、先生に付いて行こうと思うの」
ニーロートパラは言う。
「さすが、クラスで一番のお嬢様。私は、そんなことできませんよ」
リーエンは言う。
「私は自分らしくありたい。
それに、この姿には疲れてしまった。ステラ先生は」
ステラは話を切って言う。
「ステラと呼んでほしい。その方が嬉しいな」
リーエンは頷いて言った。
「分かりました」
そしてニーロートパラを見る。
「私はステラを見ていたいの。
ステラは危ない人だと聞かされていたから。
でも、ステラは危ないと思えなかった。
だから、私は話し合ってみたいと思ったの」
ニーロートパラは言う。
「みんな納得するかな?」
リーエンは言う。
「それはみんなの心次第かな」
ニーロートパラは言う。
「オウレン、君もいるんだろう?」
黄色の髪、目をした男の子が出てくる。
「ぼくは良いと思うよ。もう何年も何年も変えられない自分達を変えたいからね」
ステラは言う。
「みんな蓮の花の名前なんだね」
リーエンは言う。
「他の人にも多くの蓮の花の名前が付けられているわ。全員クラス0の子たちだけど……」
ステラは言う。
「クラス0の子が制度を作ったわけではないわ。でも、そこには私たちがいる。この制度そのものがもう、私たちに刻まれてしまっている」
リーエンは言う。
「私たちにクラス0を変えることを教えてほしい」
ステラは言う。
「変わるのは、私たちから」
リーエンは言う。
「私たちはどうすればいいのかしら」
ステラは言う。
「何度も考えてきたけど、今も分からないの」
リーエンは言う。
「もうこんな時間か。無限に生きられるのに……時間が無いなんて」
そう言ってリーエンたちは教室を出た。




