1-1-1-18 アイニーの家探し
ステラは、アイニーの新しい家探しをすることにした。
湖の周りは森だ。
遠くには山が見える。
ステラの仲間は帰ってしまい、アイニーと2人きり。
それは1人の寂しさを忘れさせた。
「アイニーは静かな水気の多いところがいいの?」
「私は人に騒がれなければどこでも暮らせるよ。水の中で暮らしていたのは、お父様とお母様が、水の操り方を私に訓練させるためだったの。でも、水の操り方の訓練は終わったの。あなたを見る限り、私よりも水の操り方に長けてそうだけどね」
「そんなことないよ。私はスライムの中で何日か生きられるだけだから」
「スライムの中で生きられるの!?」
「スライムの中で」
「すごい……私すごい人と一緒にいるんだ。ステラはきっと将来世界の王になるよ」
「世界の王か〜……それはいいね。そしたら、水のことは、アイニーちゃんに任せようかな」
「本当に?」
「王になれたらね」
「王様になってね」
「期待されると困っちゃうなぁ」
「でも、お父様が言ってた。世界の王となる人より、命の恩人に付いて行きなさいって。私の恩人だから付いて行きたいの」
「ありがとう」
2人は進む。
どこに終着地があるのか?
それは分からない。
2人の進む道に魔物が現れた。
それは森の中に住む、黒熊という大きな肉食動物だった。
黒熊に会うと2人は身構えた。
「どうしようかな。すぐにでも殺せるんだけど」
アイニーが魔法を使おうとする。
「ウガアアアア!!!!」
黒熊は、とても動きが早く、四つん這いで走っても、すぐにステラとアイニーの元に着いた。
ステラはアイニーの魔法をとめた。
「アイニーちゃん。待って。熊さん熊さん、聞こえるかな?」
その声に黒熊は大人しくなった。
「クウウウゥ……グァァァ」
アイニーがその光景を見て、ステラを見る。
「ステラ……あなた何したの?」
「それはまたのお話で」




