1-1-3-1 人々の生活
100億年以上続いた異世界文明崩壊学の話。
100億人以上の人々によって、10の18乗文字以上の話がなされた異世界文明崩壊学。
それをステラたちが学んでいた間、地上の人々は何度も自分たちの生活を破壊していた。
ラージュたちはそれを見ているだけだった。
「100億年以上何も変わらなかった。そして人生というのは、生きているうちはあっという間に過ぎていくんだな」とラージュは言った。
アーリマンは言う。
「精神も肉体も何も変わらない。生きているのか死んでいるのか分からない世界だからね」
外に出ようとしたら最後地上の人々が焼き尽くされる。
外に出ようとしなくても地上では人々が焼き尽くし合っている。
ラージュは言う。
「学園の方での授業が終わったみたいだ。異世界……俺たちが元いたというか、滅んでしまった地球という星の人類だけの話だった。何百万年もの話ではあるけれど、文字も使って長々と話せたのは5000年くらい前からの人々だった。それでも100億年以上かかった。それにしたって、地球について少しは分かってきたはずの時代、つまりは俺たちが生きていた時代の人たち、あの人たちの話で言う地球って何なんだろう?って思うよ。住んでいたはずなのに、住んでないような気がした。それでも、大事なこととしては、食べ物や飲み物、資源……そうなんだよな。国じゃなかった……足りない物を他の人に求めたから人類の戦争は起こっていたんだな……」
再びラージュたちはそのまま様子を見ていた。
すると、大地が震えた。
地表が無くなり、空から光が見えた。
また人々の手で地上が焼き尽くされたのであった。
人々が消えた時に辺りが真っ暗になった。
「何だ?」
とラージュは言った。
アーリマンは「何だろうね……」と言った。
ハジュンが現れる。
「一度これをやってみたかったんだ。だが、私は他の存在に働きかけて話すとしよう」
ハジュンのいる場所。
そこには多くの人々が集まっていた。
その数は数えきれないほどだ。
みんな頭を下げている。
「ああ、尊い方の話だろう……これから話が聞けるんだ……」
ラージュは「これから何が始まるんだ?」と不思議がった。
ステラたちもそこにいる。
「何? いきなり世界が真っ暗になって……何でこんなに人がたくさんいるの?」
ハジュンに対して、仏陀の位に立つ神官が頭を垂れている。
ハジュンの話が始まった。
「さあ、これから私の真実の話を始めよう。みんな忘れてしまっているだろうけどね……」




