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ステラの世界の歴史  作者: 神曲朗読好き
146/201

1-1-2-58 それぞれの感想と気づかないうちにやってくる者

 -------ステラ-------

 アニメというのを初めて見た。

 

 圭は可哀想だった。朱音も苦しそうだった。


 思考を侵されて、自分をなくしてしまった主人公の圭。この世界の人々と同じなのではないかと思ってしまった。

 

 朱音もまた好きでもない存在に体や心を侵食され、その姿を自分を好きな人、圭に見られるのは、苦しかったと思う。


 このアニメの世界は異世界で創作されたもの。異世界はとても私たちの世界に似ていると思う。


 そう思うと、自分の力の無さ、自分の勇気の無さを感じて、その時の表情を嫌そうな顔と言われたのかもしれない。前耳は、そこまで読み取れる人なのかもしれない……。


 ハジュンはどんな人でも自らの味方にする。それを恐れてはいけないし、油断してもいけない。


 -------桜-------


 あれは……多分18歳未満の人が見てはいけないアニメだろう。


 前耳という人が気持ち悪いと思ってしまった。


 でも、ステラ達はああいうものを初めて見ただろう。もしかしたら、気持ち悪いとか感じないかもしれない。

 

「どうしてあなたは自分が裸だと思ったのか?」というような言葉が何かの本で出てきた。私が変な知識を得たことがいけないのかな……。


 自分が何者であるかを考えることが無ければ、あれを見ても卑しさなど感じないかもしれない。


 私には、あんなのは耐えられない。あんな風にはなりたくない。


 何でこんな気持ちの悪い描写を良いと思うのか……私には分からない。


---------


 メアリは、動く絵が映っていて美しいと思ったが、それ以上は何も思わなかった。


--------------


 そして、前耳はステラの部屋の前にいた。

 ドアをノックした後、返事が聞こえた。


「あのー……入っても良いですか?」


「大丈夫ですよ」


 前耳は部屋の中へと入る。


 ステラは小さな身体だ。

 


 前耳はステラの姿を見た。


「何かありましたか?」


 ステラは前耳に近づいていく。


 前耳が手を出そうとすると、ステラの方が早く、何かから守ろうと、胸元に抱き寄せた。


 「えっ!?」


 「ハジュン、あなたがどうしてここに?」


 「私は、いつだって、どんな場所でだって、いつの間にかいる。誰も気づいてくれないのかもしれないですね。私は見て楽しんでいるだけです。それがどういうことか分かりますか?」


 「いいえ……」


 「ステラたん……苦しい……」


 ステラは、前耳に「あっ!すみません!」と謝った。


 前耳はハジュンを見ると、ステラの後ろに下がった。


 「前耳先生、私に気づいていましたか?」


 「気づかなかったです」


 「1つのことを教えておこう。私は気づかなかったというようなことが異世界では起こった。これは私がこのような姿になっているから言えるが、私は分からないのだ。気づいたら遅かったという存在にもなり得るよ。これは、君たちがさらなる戦いを続けやすくするために伝えているんだ。異世界の人間は気づいたら滅んでいた。死会という人が、1000万人以上殺していたとしても、それは異世界の時の流れだ。時の流れで、私にようやく気づくと、みんな私の楽しむ姿を見ていただけだ。その光景が未だに放送されていない。どこかで検閲でもされているのだろうか? そろそろ伝えようか?」


 そしてハジュンは姿を消した。


 前耳は「死会もハジュンも、何者なんだよ。引きこもっていた自分には分からないな……」と言い、倒れてしまった。



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