1-1-2-57 異世界文明崩壊学 前耳の話
翌日、死会はデーヴァの元へと連れられた。
そこには、眼鏡をかけた小太りの男が立っている。
「死会先生、こちらは前耳さんです。異世界で起きた出来事について彼の側から教えることになっています」
「初めまして、前耳です。よろしくお願いします」
「死会です。よろしくお願いします」
そして、ステラたちの部屋に映像が流れる。
前耳という男はこの世界に来て18年ほどであった。
祈祷師として生きているという話をした。
そして、前耳は異世界のことについて、死会とは別のことを話した。
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ぼくは前耳というものです。
ぼくには、驚いたことがありました。それはこの世界ではどこでも言葉が通じるということです。とても素晴らしいことです。
さて、ぼくが話すのは、日本の漫画、アニメ、ゲームのことについて。
恐らく皆は漫画、アニメ、ゲームと言ったものを知らないだろう。
そのため、今回は一目見てほしいアニメがある。
それは「エンドレス」というアニメ。
1話30分、4話ほどで終わりますので、このアニメを見てもらいます。
それでは再生します。
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そしてアニメの映像が流れた。
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主人公の圭は朱音という女性に告白して付き合うことになった。しかしながら、朱音はすぐ後に事故に遭って意識不明のまま入院してしまう。その後、目を覚ました朱音は圭に対して告げられないある悩みがあった。
それは朱音が部屋の中で、今いる朱音が別の世界から来た朱音と重なってしまったということだった。
そこから物語が始まる。
その別の世界というのはオス型の魔物が世界を蹂躙して、女性が尊厳を持って生きられる世界では無かった。それは映像にぼかしはありましたが、アニメでもやっていましたね。
女性の中にはそれが元で死んだ人もいます。
部屋の様子をここでも見られるのですが、桜さんとステラさんは初めて見たのかな。
とても嫌そうな顔をしていましたね。
いや、何が起きたのか分からないのかな?
私がここへ来た理由に、それがあるのですから。
まあ、そういうアニメなんですけど。
でも、こうしたアニメを見て、私は何か得るものがあったのです。
主人公の圭は最初に「俺たちが、たとえ最後の人類の2人になっても、朱音のことを守ってみせる」と言います。
これをアニメの中の別の世界で生きる圭も言っています。
朱音は圭という人間を守りたかった。圭は視覚、聴覚などの器官と意識だけで生かされました。朱音は魔物に体を奪われて快楽の虜になっていくところを見られ続けました。
あれを見ていた時、ぼくは矛盾した感情に襲われました。泣きながらも、もっとやれと、にやにやと笑いながら見ていました。
そして、驚いたことに魔物のいる世界の圭は、ぼくと同じような感情を持っていたのです。
それを朱音は魔物から、圭の意識を流すものを通してそのことを知りました。朱音は初めこそ涙を流していましたが、圭が好きだったので、それを受け入れていきました。
別の世界の圭と出会い、そして圭を知ります。するとその世界の圭は魔物の世界の圭と一緒になり、朱音は魔物の世界の朱音と共に、魔物のいる世界へと帰ります。
最終的にはいろいろ力に目覚めて、信じる力で魔物を倒したのです。また、朱音のトラウマを圭が解決して終わります。
アニメの世界とはいえ、面白かったですね。
そのアニメを見たいと思いましたか?
ぼくはそれに共感したのです。
このアニメの内容のように世界はあらゆる面で並んでいるのではないかと考えさせられました。
このアニメには並行世界が存在すると言った理論などが出てきます。またエントロピーと言った言葉も出てきます。これを量子論的な話とでもいうのでしょう。
皆さんには分からないでしょう。
ぼくにも分かりません。
脳だけの人間も出てきて、そこに命が存在していましたね。
まとめると、ぼくのいた世界のアニメの一つで分かることは、この当時の世界では世界を量子論的な科学で証明できると言ったことと、全ての並行世界の生命は脳があることで存続できるということです。
あとは、快楽を満たすために自分の愛するものを利用するのはすごく良いなと思ったことがあるかな。
ぼくもそうしたことを元に考える1人なんです。
まあこんなこと話す機会があって良かったです。
ありがとうございました。
ぼくの話は以上です。




