1-1-2-47 異世界文明崩壊学 2015年
異世界文明崩壊学の映像から魔男王の声が聞こえてくる。
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ステラ、メリー、メアリー、桜、君たちには何を言っているのか分からないだろう。どういった理由にしろ、これを嘆く人から見れば悲劇となる。だが私は喜んでこれを見る。そして私は、これを人々が喜びと考えるなら、それを喜んで見守る。
2015年9月20日にワタルは目を覚ました。その日に核兵器が東京に落とされて死亡した。
マリアも同様に死亡してこの世界に転生者として生まれた。
この時の人々の声を私はじっくりと聞かせてもらった。
桜などが元いた世界と異なるこの世界というのは、魔物がいたり、魔法が使えたり、君たちの世界でも起こりえたAIが統治する国があるなどではないか。
だが、結局は元いた世界と変わった人格というのは存在しなかっただろう。これが転生だ。
理由は定かではないが、転生とは常に起こるものである。これを気づかせる役割を果たしてみせよう。
君たちは自殺の道を歩んできたために、転生してきたのだ。この世界でも自殺に至ろうと努力するだろう。不老不死の実現したこの世界に、自殺の道を作ろうとしているのだから。
私たちに関して言えば、ボンやモンテン、サガラスキ、ヤリティエーナ、アーリマン、ハジュンといった存在は、人よりはるかに寿命が長いため見ているだけだが、私たちも寿命が尽きれば転生をするだろう。
それはそれとして、どの世界でも、飢餓と飽食、健康と病気、また差別と平等、富と貧困、権力と宗教……これらの多くの要素が絡みあう世の中で人々は生活していた。
2015年から以前も変わらず、幸せな人々の幸せな笑顔を浮かべる姿は、その幸せな笑顔を浮かべる人々を見て、強く歯を噛み、歯が折れて無くなり、触れ合えば真っ赤に染まる歯茎をすり鉢のように擦り当てる人々に柔らかい笑みを思い浮かべさせていた。
こうした喜びを噛み締める2つの人々がさらに増えることが私の喜びであった。
人々が暮らす地球はもう存在しない。
だが遡ることはできる。
2015年9月20日から少しずつ遡ろう。
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桜たちの世界はこの世界とは異なり、もっと戦争が起こりやすい世界だった設定にします。
2015年で世界が滅んでしまうとは……。
ステラたちは世界を平和にできるだろうか?
そう書いていけたらと思うが……。




