1-1-2-46 カオスな時代の到来
ステラ達は一人一人別々の部屋に分けられた。アイも1つの部屋へと入ることとなった。
ボンやモンテン、ヤリティエーナと言った魔物の類とされた存在は「あなた方は1つの部屋で何もせずに見守っていてください」と言われ、1つの部屋に入っていた。
それぞれの部屋には声や映像が見られる機器があり、トイレや寝床もあった。
デーヴァは「思っていたよりも素直に従って頂き、感謝します」と、それぞれの部屋に連絡を入れた。
部屋からは出られないように鍵がかけられた。
「鍵などは意味がないと思いますが、もし外に出たら、躊躇いもなく、瞬時に地上を焼き払い、あなた方に再生を待つ人々の姿を見せることになります」とデーヴァは伝えた。
ステラ達が部屋から出ることとなれば、地上に暮らす何億という人々が一瞬で焼き払われるかもしれなかった。
ボンは「異世界もそうだが、3000年前と言い、それ以上の遥か昔と言い、私たちが見ているものは何一つ変わることはない。外見や寿命は大きく変わったが、不老不死となった人類にあっても、一部の人間が地上に暮らす人々を支配し、破壊できるという心は変わらないのか……」と言った。
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その頃、ラージュ達は山の中にいた。
「この先どうしようか……」とラージュはため息を漏らす。
アーリマンは「上のほうで動きがあったみたいだ。うーん……20年くらい様子を見てみないか?」と何かを感じ取ったようだった。
「20年!?長いな……」
「この世界の人々は3000年近く生きている人もいるんだ。それくらい短いだろうね。でも、記憶というのはそうはいかないみたいでね」
「どういうことだ?」
その時、コーカイが現れた。
「みんなここから出ないようにしてください。魔男王様、魔女王様は人々を支配と分断と破壊の渦から解放されたいそうで、ご自身の存在を一人一人の記憶から無くされるそうです」
「ははは」
とアーリマンは笑った。
ラージュたちも驚いていた。
多くの場所から閃光が走った。
その光は夜を昼と言わせるような光だった。
「俺は2度も異世界で見た光をこの世界で見なきゃいけないのか……」
「あれはタンボムシ・マオが使ったものです。クーテもすぐに報復に向かいましたね」とコーカイは言った。
コーカイは「良いと言うまでここから出たらいけませんからね。地上に暮らす人々を思えば、それもできるでしょう」と言い、消えた。
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部屋の中で「異世界文明崩壊学の授業を始めます」というデーヴァの声が流れる。
デーヴァは「人は自分が生きていた時代を簡単に捨て去ることができる生き物なのです。無駄なことになりますが、皆さんには引き続き異世界文明崩壊学を学んでもらいましょう」と言った。
異世界文明崩壊学の内容を長く書けたらと思いました。




