1-1-1-13 ステラの思い
先は長い。作家は諦めてもいいと思う。しかし、わがままな書きたいという思いは変えられない。
ステラ、ワタル、桜、メリーが中心だ。
登場人物のフト、アジャタ、ハジュンとかで自分が多少読んだと思っている本が分かると思う。
それらの内容の個人的な理解力は浅くても、これらは、文字を埋めていく軸として1億字を展開していきたい。
私は、この学園に通って1ヶ月以上過ごしている。
どうやらこの世界に、ワタルが何かをしているようで、そのためにクラス別の世界になってしまったようだ。
クロウトに声をかけた男子生徒、確か名前はアジャタだったか。その発言も異常だと思った。
神官とか何だと言っても、結局は人間だ。
人間以外の何者でもない。
それをなぜ彼らは人間ではないものとして見ているのか。
それが仮に洗脳だったとしたら、どうすれば解くことができるのか?
私には分からない。
それに、10年間あのダンジョンにいた。
私が思うに、神官というのは宗教者だ。宗教を信じている人が陰から王などの力を操り、人々を支配しようとする。
そんな風に思った。もしかしたら、ワタルや桜のいた世界ではそれが普通だったのかもしれない。私が6歳の時は、言葉を覚えて文字を書いたり読んだりできるくらいだった。
だから、本と母からしか物事を知ることはできなかった。
本が語るのは、知識で、母が行うのは知恵だった。
この世界には、分からないことがたくさんある。
でも私には、思想とか信条の偏りによって、独善に居たならば、悪を見逃すようになってしまうと思えてしまう。これは私にも言えることだ。
クロウトも誰も気がつかないのは、まだ純粋な思い込み、つまりはクラスとかいう階級制度に対する絶対的な信仰心があるからだと思う。
恐らく、学園全体のほぼ全ての人がこれを信仰していて、それを変えようと自らの行動を絶対化してしまえば、学園は混乱して、何が正義なのか分からなくなってしまうに違いない。
だから母は、あの時あのようなことを言ったのだろう。
まずはクラス0からゆっくりと変えていく。
学園では、一週間後にクラス0の生徒たちによる魔法のお披露目会があるらしい。
そこには、クラス1〜5の生徒も集められる。
クラス5の生徒の前に壁があり、そこに魔法を放つ。
魔法を見せるだけだが、あまりにも強大な魔法を使えば、集められた生徒に放たれて、死人も出るらしい。
クラス0の人たちから見て、クラス1〜5の生徒は、死んでもいい存在なのか。
私は、この魔法のお披露目会で1人の怪我人も出さないことを誓った。
使命感の自覚無くして、私が私であることはない。
強く生きなければ。
果てしない人生の旅路はまだこれからだ。




