1-1-2-29 クーテの思い
1390字くらい。
大人材国はとても広い。東と西で分かれていても、その国土の広さは世界でも有数だった。
スジャータたちは、しばらく体を休めることにした。
その頃、大人材国西。
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クーテの側から書いていく。
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私は宴会などもう飽き飽きしていた。宴会に色男がいれば、私に挨拶してくる。だが、私は男に興味が無い。それはもちろん女にもだ。子供が生まれたので大切に育てている。この子には可哀想なことをしているかもしれないが、父親が誰なのか覚えていない。優秀かどうかではなく、子を宿せるかどうかで適当に選んだ。恐らくもう隣国……ケツチュウに売ってしまったのだろう。ケツチュウは男も女も好みだから。
時々宦官を売るが、ケツチュウは獣だ。何をするか分からない。
色男たちが宮廷にはたくさんいたりする。
もてはやされ、大事にされた人たち。
私は学園でもそういう人たちを見てきた。昔の私はみんなは、下に立つ者だから気に入らなければ殺したり、拷問にかけたりした。しかしそれではいけないと悟り、色々と考えた結果、獣のような考えだが、それを遂行した。
私に仕える女たちに抱かせ、男たちも女たちも私のほうへ目がいくことは無い。女たちは色恋が現実であり理想、夢であり、女に夢中な男たちも地位や権力などは大切な何かと曖昧にしか思っていない。生活ができるだけのお金も費用で出せば良い。いつの世も変わらないのかもしれない。
急遽宴会が行われる運びになった。そこには魔男王様、魔女王様が来るらしい。私はその時を待っていた。3000年間、何をしているのか分からなかったが、宴会に来るらしい。
ここに新しい時代を切り開く、私はそう決めている。学園での神官たちの授業などは、異世界の人々が何かよく分からない理由で自ら滅んだという内容だけだ。今や全ての人が不老不死になった。
もうハジュン信仰の時代は終わった。これからは私の時代だ。
そう思っていた。
私は、宦官のモンケイに「ビンサールの王はお前の女がほしいようだ」と伝えたら、モンケイは怒りをあらわにしていた。
モンケイ、お前の気持ちは分からなくもないが、お前も同じだぞ。宦官となってからは宮女の好みとなったな。街に出てもモテるものだから、たくさんの女を相手にさせた。
女性同士でモンケイを巡って、何か事が起こったこともあるようだが、それは綺麗な女性を巡っての男たちの殺し合いもあるところから、どちらも変わらない。人が多い分仕方ない。
私を追い回すのは私の子供たちだけだ。
そして宴会が行われた。魔男王、魔女王は死んだ。不老不死の世界で人が死ぬことは無いが、この出来事からビンサールの王たちを叩き潰すことになるだろう。
そう上手くはいかないようだ。モンケイが連れ去られてしまった。勇者たちか……警備を乗り越えて宦官を連れ去ってしまうとは。だが、彼らを味方に付けたら、様子は変わるかもしれないな。
私は科学連邦の技術で作られた相談型アイに「勇者たちを味方に付けるにはどうしたらいいか」と聞いた。
するとアイは「私は、勇者たちが味方に付くことは無いと思います。説得は試みないほうがいいです」と言ってきた。
味方になる可能性が無いのか?
その思いとは何なのだ。
勇者たちを仲間に引き入れる方法……。
また新しい知らせが入った。
神官たちがやってきたのだ。私の先生もいる。
どんどん分からなくなってきた。うーん……女帝クーテはハジュンに何も思っていなかったのか……いやハジュンはそもそも存在するとか存在しないとかではなくクーテの中にいると考える……。




