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ステラの世界の歴史  作者: 神曲朗読好き
116/201

1-1-2-28 ケツチュウの治める大人材国の食糧

(1361字)

 リュウは「一度、私の故郷へと帰らせて頂きたい」と言った。

 

 スジャータは「良いですよ。行きたいと思います」と言った。


 みんなも頷いた。


 そして、リュウの故郷へと移動した。


「大人材国の20億の人々を支える私の故郷、親孝行肉生産加工直売所付工場です」


 広大な壁に囲まれた場所。そこに多くの人がいる。


 そこには、お店がたくさんある。出店をしているようだ。安い肉を求める人が多く集まっている。


 リュウは「これは全て親孝行な肉です」と言った。


 そこには、たくさんの肉が並べられている。だが何の肉か分からない。

 

 ワンはふと、一歩退いた。そして、気持ち悪くなったのか「あの、私、無理です……。スジャータさん、私、無理です」と言った。


 スジャータは「良いわ。眠って……」と言う。


 ワンは深い眠りについた。


 スジャータは「念のため、ヒール」と言い、回復魔法をかける。


 リュウは「すみません。かなり大きなショックを受けさせてしまいました」と言った。


 ルンルンは「この肉は私たちが食べたことのある肉です……。歴史の本を読んで自分たちのことは知っていましたが、いや……まさか生産工場があるなんて……」と言った。


 リュウは「ここでは、生産、加工、精肉など様々なことをしています。ケツチュウは残虐な王と言うことを知る上で、ここは代表的な建物なのです」と言った。


 フキゲンは「ケツチュウは子どもだった頃、首を斬られた。学園のゴクアクはケツチュウを肉体改造したのだ。それがこうした事態を引き起こしているのかもしれないな」と言った。


 みんな落ち着いている風にしている。


 だが、周囲の人々は彼らから離れている。肉を買いに来た人は「あいつら何なんだ?こちらを狂人を見るような目で見ているな。親孝行な肉とは良い名前の肉じゃないか。書いてあるものは話し合いより気持ちが通じないとか、話し合いでも心を通じ合わせるのは難しいとか言うけど、〝親孝行〟とは心に響くね。まずまずの味だが、たくさん買っても安いし、家族を養える」


 

 スジャータは人混みを離れた。リュウたちもみんな付いていった。

「ああ、私はステラに何てことしていたんだろう……」とダンジョンでの出来事を急に思い出したのか泣いていた。


「スジャータ、君が泣くことは無いだろう。ステラは強くなったじゃないか」とアーリマンは言った。


「この肉を見て、親孝行だとか思えないの……。私は、回復魔法で何度もステラを痛めつけた。強くするためなんて、言い訳に過ぎない。ケツチュウと同じだわ」と泣き続ける。


「スジャータさん……」とルンルンは言った。


 リュウは「私はステラさんを知りませんが、ここでは強くするためなんて理由はありません。誰一人疑わずに肉を食べて喜んでいます。肉を食べたことがないのは、まだ産まれていない赤ちゃんくらいです。国の食糧事情が逼迫するため、この肉を食べることを止めることもできません。ただ、見て頂きたかった。私の両親が販売されているこの工場を……」と言った。


 スジャータは「子どもを傷つけた母として……必ずこの工場を止めてみせる。そのために、まず食糧事情を解決しましょう。そこが解決してからケツチュウを変えましょう」と言った。


ルンルンは「私も未来ある子どもを守りましょう。私たちの代で、終わらせたいと思います」と言った。


そしてリュウの故郷から少し離れた。





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