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1-1-2-22 阿鼻叫喚の叫びをあげる人々

 フーコンゼン、コーカイ、エンジは2km四方に小さくした曼荼羅に拝んでいた。そこには数万とも言える多くの神官も集まっている。


「ガートウアービーキョーカンショーシューブーシューダーイーハージュンキューサイイセーカイサンゼンセーカイキューサイハージュンーーー我等阿鼻叫喚焼種仏種大波旬救済世界三千世界救済波旬」

とお経のような言葉が読まれる。


三千世界の即身仏は叫び声をあげる。


「うああああああ…………」


「即身仏に祈ることで、全ての祈りが叶います。私たちもこの身のまま即身仏になれます。この大慈大悲をみんな信じていこう。ケツチュウ様、このような祭事を行うことができて良かったです。即身仏の方々もみんな喜びの叫び声をあげております」


 即身仏の一人が「コー……カイ……様」と言った。


 その声は多くの人に聞こえるように響いた。


「タスケテ……くだ……さい」


「分かりました。すぐに助けましょう。皆さん!これが仏の命令です。ケツチュウ王様にもご報告し、この国を侵さんとする者を全員助けて、あなたの悲願を遂げてみせましょう!」


 コーカイは曼荼羅を振り返ってみんなに告げた。

 曼荼羅の即身仏の唇は震えている。


 みんな泣きながら拍手をした。


「素晴らしいことです!素晴らしいことです!ありがとうございました!!」と多くの人が言う。


 大人材国東では、その映像を国中で流している。


 広海でその映像を見たスジャータは「理解に苦しむ映像ね……」と言った。


 ルンルンは「私は即身仏がお話しされるのを見ました。本当に私たちは逆らっても良いんでしょうか?」と言った。


 スジャータは「当然ルンルンはこの世界の信仰とも言える思想教育の中で育ったから分かりにくいかもしれないですが、あの即身仏は死骸になれずに苦しむ三千世界の人々です」と伝えた。


 ルンルンは、「即身仏が苦しんでいると言われるのですか?」


 スジャータは「そうです」と言った。


 ルンルンは頭を押さえた。

「まさか……いやそうなのかもしれない。いえ、そうなのです。私は、勝てないから……諦めているから、コーカイの言葉を本当のこととして受け入れました。私は弱いのです。スジャータさん……あなたは強い。だから反対のことが考えられるのかもしれませんね」と言った。


 スジャータは「確かに、そうかもしれません。体を失ったり、捕虜になったり、酷い目に遭ってきたあなたに言えることは無いです。私が言えるのは、私とアーリマンが命をかけてでも守りたい変わるべき人が変わらなければ何も変わらないということです」と言った。


「それは私自身に言えることですね……ありがとうございます。私もこれよりは私を含めた全ての命を守るために、命をかけなければ守れないと思います」とルンルンは言った。


毎話1000文字も厳しいです。

1日3000文字、10,000文字は眠くなるので、できたらにしておきます。

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