1-1-1-11 メリーの思い
私は長く生き過ぎた。
とても退屈な人生を歩んでいる。
今の人生もいつ終わるのだろうか?
1年1年と死ぬのを待ち続け、この国の民が何十世代も変わったのを見続けた。
いつ頃からだろうか?
「ババア!」
と言われるようになった。
もう自分の父母も覚えていない。
それを伝えると「両親がいないのか……お前はとんだエセ魔法使いだな。ババアは出て行け!」と怒鳴られた。
この世界では、親がいないことは即ち身分や階級が存在しないことになる。いつしか生まれて、私の中にも入り込んだ身分の思想で言うところのクラス5の身分である。
そのために、私は差別されたのだった。
私は、いつからこんなに人が人を分けるようになったのか不思議でならなかった。
多くのパーティーに所属して、功績も残した。しかし親がいないことを伝えると「出て行け!」と怒鳴られた。
階級、身分が絶対的なもので、それを得ているものが成功したものとして扱われるのである。
王国国立メアリ学園とは、ふざけた学園だ。
メアリとは、私の友人の名前だ。
大魔法使いと呼ばれていた。
魔物たちとの戦いの中でできた友人だ。
その友人の名前が差別の温床の学園に使われている。
私は、そこの最強生徒たるワタルに勝負を挑んだ。
私は呆気なく敗北した。
服は破れて、胸と下半身を少しばかり覆う白い布だけになった。
ワタルは耳元で言った。
「俺には勝てないよ。だって、俺最強だから。これが向こうの世界から来た人間だよ。勝てないと分ったなら、俺の女になれ」
私は、付いていくことにした。
いつか殺してやる。
こいつを殺して、全世界を消し炭にしてやる。
そのためにステラを利用していこう。




