1-1-1-10 桜の思い
私が現実世界で生きてきたのは14年ほど。
私は台風の日に川の近くで台風を払おうとして、川に身を投げた。
そしたら、意識が無くなってここに生まれた。
この世界で生まれたのは、14年ほど前だから……現実世界だと28歳。
この世界の本は興味深く、よく読んでいた。
文学少女とは違う。私はいわゆる中二病の女だ。
現実世界の年齢と今の世界の年齢を足すと大人の中二病といえるか。
自ら中二病と名乗る女?
まあそれはそれとして、私は私だ。
ワタルは私のことを高校生だと思っているようだ。体の成長も順調だったし、あまり気にしないようにしているけど、胸も大きくなった。
まあどうせそうなる予定だったし、気にすることでもない。
それよりも、この世界で魔法や剣撃ができることは、私の心を刺激した。
魔法攻撃はそこらへんのゲームで出てきそうな技だが、魔力によって威力が変わるのがこの世界だ。
数年ほど前にワタルに出会った。
天魔波旬を使いにして、この世界の神になろうとする男。
世間話をしていたら、洗脳魔法を使おうとした彼に「あなたは私を侮っているのかな」と言ったら、「桜、俺とこの世界の神にならないか?」と言われた。
それが面白かった。
「あはは! 面白いね。まるでこの世界の他にも世界があるみたいな言い方だね」と言った。すると彼は「俺はこの世界とは別の世界の日本という国の国民だったんだ」と言われた。「ええっ!私もだよ」と驚きを隠せなかった。
私はそこで興味が湧き、付いて行ってみることにした。
今では、この国の中で差別の思想が強くなり、見下される人は何をしても見下される世の中になった。
私が見下されるわけではないし、どうということもないが、ワタルはこのままどうしようというのか。
世界に差別なんて無いほうがいいだろうに。
唯一人、私のいた世界の人ということで、私はワタルを仲間だと思っているわけだが。
私から見たら、見下す人と見下される人を生んでしまった彼は「魔人」だ。魔に取り憑かれたものだ。
王城については、元々この国にいた王様や大臣、将軍などがいる。本当はこの世界に元々差別はあったのかもしれない。
戦争も常にあったようだし。
国王たちは、ワタルが陰から支配するために操られている。
ワタルは、魔神アーリマンよりも魔だと思う。
魔神がやっていたのは、人を襲う魔物を増やしたりすることだ。
ダンジョン自体は自立しているため、まだ魔物がどんどん湧いてくる。
ダンジョンが存在する限り、人が安心できないのは、仕方ない。しかし、人同士の争いの源を増やすワタルのやり方は、魔神じみている。
一方でメリーさんは何歳かは不明。
25歳くらいと予想する。
彼女は、可愛いというより妖艷だ。
何というか上半身の胸部の膨らみに目が惹かれる。
サキュバス みたいな感じがする。
有名ギルドのパーティーメンバーだったようだが、リーダーから「うっせえババア!出て行け!」と言われたのが最後だったと聞いた。
他のパーティーのリーダーも最初は「うひょっ!いい女!」とか言ってたのが、最後は「ババアは出て行け!」になるそうだ。
ある日突然学園に現れてワタルに勝負を仕掛けたが、敗北した。そしてワタルが声を掛けて、仲間にした。メリーさんは、洗脳魔法にかかっているのではない。あえて仲間になっているのかもしれない。逆らっても殺されるだけだし、付いていくしかないのだろう。可哀想な女性だ。
ステラは18歳。魔神の間で会うとは思わなかった。どうやって魔神を倒せたのか気になるが、もういないし、魔神を倒さなくても良くなったからいいや。
それにしても、現実世界の10歳くらいと思われる外見だ。まあこの子も胸が大きいような……。この世界の女性たちは基本的に胸が大きくてウエストは細めだ。とても体付きが整っている。
まあそれはそれとして、ステラは可愛いな。
この世界で差別意識の無い人。
今のところ何も起こらないだろう。
この先何が起こるか分からないが、ステラと遊んでみたい気分でもある。
ほとんど読んだ本の内容と似た感じになってしまう……。
有名な本だから読み方によって感想も異なるだろう。
それにぼくが読んだ本は、翻訳した本だったり、完訳ではなく簡単な訳だから、言葉の意味が本当に正しいのか、執筆者の思い込みなのではと疑問に思う人もいる。
そうした本を参考にしているけれど、書くのは難しい。
ぼくにもっと想像力と、ストーリーを構成して書く能力があればと思う。




