第一話-ブラック邸にて
ど素人の書いたものなので体裁や内容がツッコミどころが満載だと思われますが許してください。
--ブラックさん、この度は週刊エコノミック・アニマルの取材にご協力くださってありがとうございます。早速ではいくつかの質問に答えてもらいます。まず初めにこのお天気ファンドは設立2年めに入りましたがどういったお気持ちでしょうか?
「このお天気ファンドはできる限りの投機家の介入の可能性を無くすために気候の設定にワザと一年のブランクを置いている。最初のシーズンでは何とか無事にことを終えたが投機家はどこの隙間から入ってくるか分からない。最初がうまく行ったからといって二年目、三年目が安泰である保障はどこにもない」
--我々が事前に調査したところ実際に利用した顧客の中では投機を目的とした人が1000人、これは全体の0.01%に当たります。この投機目的の顧客についてどう思われますか?
「私はすべての顧客の契約内容を把握している訳ではないが少なからず存在することは承知していたし実際にそのような契約をしたものも確認している。テレビの娯楽番組の企画でやっていたね。お天気ファンドで一儲けしようだったかな?ロケットを使ってヨウ化銀を空気中にばら撒いて人工的に雨を降らしてみたり、雲を消し去る粉末を大気中に撒いて晴れを作ってみようとしたりしていたね。だがどれだけ科学技術を進歩させたところで我々人類の手で好きなように気候を変えたり、完璧に予測しようなんてことは出来ないだろう。実際に参加したタレントたちは自らの予測に反してかなりの損失を負ってしまったようだ。まぁ普段から莫大なギャランティーをもらってる訳だし、慈善事業と考えれば安いだろう」
--一部の人道団体はお天気ファンドを国単位で取り扱うべきだとしておりますがどうお考えでしょうか?
「確かに国単位でお天気ファンドを利用することによってスコール、豪雪、日照りのような自然災害による被害を防ぐのには有効だし、発展途上国、特に東南アジアのような気候の変化が激しい国に対しての特別な融資も検討している。だがしかし国同士での取引と個人間での取引ではスケールが違う。個人間でうまくいくことがあっても国家間でうまく行くとは限らないだろう」
--つまり国家間に於いてのお天気ファンドの利用は慎重であるべきということですね。
「その通り」
--実際に国際的な会議に於いてお天気ファンドを国家間で用いる採択がされようとしていることに関してはどう思われますか?
「お天気ファンド自体もまだ始まったばかりなのに一回の成功でそれを応用しよう何ていう考えは浅はかだ。先進国も途上国も揃って賛成としているが、何事もすぐに決めてしまうのは危険だ、反対意見を聞く必要もあるだろう」
--ありがとうございます。粗末なものですがこちらがお礼になります。
「ほう、光るまんじゅうか。わかった、有難う。君の会社の資産はどんなことがあってもこのブラック-ショールズ記念銀行が大切に育てよう」
「おぬしもワルよのう」
3/15天候操作は塩化銀ではなくてヨウ化銀でした。修正します。