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いつまでも。  作者: 京介
4/4

立場

4 立場


++++++++

慶介が教室から去って、早坂は一人となった。

早坂は慶介の言っていたことが脳内に響いた。

「お前と帰れないなんて運が悪いわ」

ばか。ばかばかばか。どういう意味で言ったのよ・・誤解させるような発言して・・・

早坂は顔が赤くなったまま自分の荷物をまとめて、下駄箱へと向かった。靴を履き替えようとしたそのとき、後ろから息切れした男子が来た。森川だ。

「どうにか間に合ったな・・はぁ・」

なんでこんなに急いで来たの!

よくわからない、こいつのことが。

「なんでそんなわざわざ急いで来たの?」

「別に。お前と帰りたいと思っていないし。」

「はぁ?」

なんなの!最低。

「でも、お前とは仲良く出来そうだし、どちらかが謝らなかったらまたイザコザが起きてたし、その点に関しては早坂のやったことは正しいと思ったから。」

「よくわかんない。なんで私と仲良く出来そうって分かったの?」

「そ、それは・・・男なりの秘密だよ。」

「えー、何かキモい」

「うるせ!」

思わず森川に笑ってしまった。でもこうしてみると森川は普通にカッコいい・・っ気もする?いやないない。

その後、二人は結局一緒に帰ることになり、一緒に校門から出た。森川は北高校から歩いて10分程度の距離なので楽だと思う。私の家はこの学校の最寄り駅と2個違う。なので途中別れることになった。

「じゃーな。」

「うん。ばいばい。明日部活あるから頑張ろうね。」

「え!部活なの!?」

何かを見たかのような驚きをしている森川に早坂は思わず笑ってしまった。

そうして二人は少し話し合った後、自分たちの家に向かって帰っていった。

・・・・・・・・・・

早坂と別れて、やっとドキドキが収まった森川はカバンに入っているアクエリアスをぐいっと飲んだ、が、のどに詰まって吐き出してしまった。

(あいつのこと何で意識するようになったんだ・・・顔見ないようにしよう。そうすればこのドキドキもなくなるはずだ・・)

深呼吸しながら歩いていた森川はいつの間にか自分の家に着いていた。

森川は持っていたバッグを自分の部屋に投げ捨て、風呂へと一目散に走っていった。

後ろから母が「どたどたするな」と注意されたが無視して構わず風呂へと走った。









・・・・・・・・

4日目

今日は部活がある日だ。生徒会は一週間に1回しか活動しないので基本的には楽だ。だが学校行事が近くなったら週に2日とかになる場合もある。

その前に授業がある。苦手な数学の授業が1時間目からある。自分は特に成績が良いわけでもなく悪くも無く、といったところだ。

逆に得意な教科といったら英語だ。異国語を話すことはとても勉強になるし、洋楽が好きでもあるので英語は大好きなのだ。その影響か、中学では毎回英語の定期テストで高得点を取っていた。

一方苦手な数学はなぜ苦手かというと、公式を覚えるのがめんどくさいからだ。いろいろな方法があって混乱する。中学のころ、塾に行ったりしていたが、テストではいい点数をとったことが無かった。

そのため、いま1次関数をやっているが、ぜんぜん出来ない。だが、先生に教えてもらったらなんかすらすら出来た。

あれ、意外と出来るな。

そう感じた後は、簡単に問題を解いていた。


全部の授業が終わり、放課後、部活動があるので、生徒会室へ向かった。

 そこには最上先輩がいた。

「こんばんは!」

「お、待ってたよ森川君、今から体育祭の用具の確認するから、体育館倉庫に行くよ」

そういえば、あと役30日後に体育祭がある。そのために用具確認をするのだろう。

「わかりました。」

向かおうとした途端、目の前のドアが開いた

早坂・・・

気がつけば早坂と目が合っていた。ちょっと間が空いてから、気を取り直した。

「おおう。おはよう。」

「うん、おはよう。今日は何があるんですか?先輩」

「今日はね、体育祭の用具確認するから体育館倉庫に来て」

「はーい、ほら森川行くよ~」

俺の腕を掴んで体育館倉庫へ目指した。

(ったく、普通にすれば可愛いじゃねぇか)

気がつけば、自然と横に並んで歩いていた。



体育館倉庫に着いて、先輩達から用具の確認の仕方や、お手伝いをした。佐藤先輩(生徒会書記)の人がキッチリ教えてくれてわかりやすかった。重いものはみんなで力を合わせて運んだ。

すると早坂が鉄のおもりを三個持っていたが重たそうだったので持とうとした。

「おい、重いだろそれ」

そう言って俺は無理やり早坂の手をおもりから離して、俺が持っていった。

早坂は顔を膨らまして自分で運べるもんみたいな顔をしていた。

ははっ可愛いなと思いながら先輩の指示した場所におもりを置いた



用具確認をして1時間が経ち、無事に全部の用具確認が終わった。

みんな生徒会室へ戻り、お疲れ様と言い合った。途中先輩からジュースを奢ってもらったので、気分が良かった。自分はもう帰ろうと思い、先にお疲れ様ですと言って、生徒会室から出た。

下駄箱で靴を履き替えると同時に後ろから顔を手で塞がれた。

「だーれだ」

この声はもしや・・・やはり早坂だった。

「なんだ、お前かよ、どうした。」

すると早坂はほっぺを膨らまして

「何であの時勝手に持って行ったの~!」

「ああ、おもりのこと?いやだって女に重いもの持たせるわけにはいかないじゃん?」

「・・・ふーん、そっか。じゃ、一緒に帰ろっ」

「いやどうゆう成り行きでそうなった」

「いいじゃん、一緒に帰るのも悪くは無いでしょ?」

いちいち言っても変わらない気がするので、乗り気ではなかったが一緒に帰った。そのあとは変なイザコザ(軽い言い合い?)みたいなのがあったが、その後は別れて、それぞれ別の道を目指した。

慶介は早坂に少しずつ心を開いている感じがした。


・・・・・・・・

今日の夜は塾があった。慶介が通っている塾は、進学実績がたくさんある塾に通っていた。いい所なのだが、家から遠いというのが難点だ。自分の最寄りの駅から3駅違う。

塾が終わって一息をついて、駅を目指して歩いていると、近くの繁華街が綺麗と輝いていた。

(綺麗だな・・・)

気がつくと繁華街の景色に夢中になっていた。

「森川って意外とぼーっとすることあるんだね」

おいおいもしや、その声は・・・

「へ?なんで早坂がこんな所で?」

「私は塾帰り!アンタみたいな暇人と一緒にしないで!」

「いや俺も塾帰りだったんだけど・・」

すると早坂は驚いた顔をして

「もしかして、塾って森塾・・?」

「そうだよ、あそこは卒業生の進学実績がいいからね。」

「同じなんだっ!じゃあまた一緒に帰れるね!」

何でそんなに俺と帰るの喜んで言ってくるんだよと言いたかったがまた言い合いになるのもめんどくさいので言わないようにした。

そして、少し話し合って駅のホームに向かい、電車が来るのを待つため、ベンチに座ることにした。それと一緒に早坂も隣に座った。こうして、俺は女と一緒にいるわけだが、これをクラスの奴らに見られたらめんどくさいなと思っていたが、同時に眠気が襲ってきて、考える暇が無かった。気がついたら眠りについてしまった。


ん・・・?

なにに寄りかかっているんだと思い、横を見たら早坂の肩に寄りかかって寝ていた。

あ・・・

まずいと思った俺は、すぐに体勢を取り戻し、早坂に謝った

「ごめん!眠気が襲ってきてつい・・・

「ううん、森川ずっと眠そうだったから、寄りかかるのもしょうがないよ。私も森川の寝顔見てたら眠くなってきちゃった」

早坂は笑って俺の顔を見ると、何か言いたそうにしていたが、早坂はそれ以上口を開こうとしなかった。

早坂は確かに一般の人から見ても可愛いと思うが、俺は早坂が好きというわけでもない。ただのクラスメートっだと俺は思っていた。

(早坂は俺のことをどういう関係だと思っているんだろうな)

俺は自分と早坂との立場を疑問に思っていた。

そう考えているうちに電車が来たので、二人は乗ることにした。

電車で何気ない会話をした後、LINE交換をした。



別れた後、早坂からよろしくねのスタンプがきたので、俺もよろしくねのスタンプで挨拶を交わした。

そして家に着いた後、風呂に入った後、すぐに眠ってしまった。

(明日、立場をよく見極めるか・・)

慶介はそれを目に思い浮かべながら眠りについた。



++++++++++

ありえない。ほんとにありえない。

家に帰った早坂は、駅のホームでの出来事を思い浮かべていた。

(森川が寝ちゃってるからこちょこちょしようと思ったら急に私の肩に寄りかかってきて・・・・)

早坂は顔が真っ赤になっていた

だめだ。なんで大して話してもない上に、肩に寄りかかれたぐらいで・・・これが恋・・・なの?

早坂は密かに森川に意識をし始めていた。

いつしか森川のことを「嫌い」という感情が消え去っていた。



二人の心境がどんどん変わっていく・・・!?


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