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いつまでも。  作者: 京介
3/4

誤解

ここから早坂視点が見られるのでぜひ見てみると早坂の心境が分かります。

3 誤解


++++++++

 この春慶介と同時に入学した保健室の件の女子こと早坂麻耶は二学校生活を楽しみにしていた。イケメンとの出会い、充実した学校生活、そんな妄想をしながら入学式を無事終えることが出来た。


 入学式も終わり、下校していいとのことなので、私は帰ることにした。校門まで遠かったので体育館の裏から近道できると思い、裏から行った。裏の道は今にも倒れそうなテーブルがあった。まあ大丈夫だろうとそう思った矢先、テーブルが頭上から倒れてきた。大きく頭をぶつけ、早坂は気を失った。誰かから声が聞こえたが、もうそれは耳に入らなかった。

+++++++++

しばらく経って、早坂は目を覚ました。が、男が私の前に顔を近づけているではないか。私は思わず、男に平手打ちをかました。それくらい当然だ。普通の女だったら通報している。私は平手打ちで済ましたから。すると男が

「何するんだよ!」

は?何言ってるんだこの変態。

「うるさい変態!」

といい私は彼を突き飛ばし、自分の荷物をまとめて保健室から去った。

(ありえない。もうあんな男最低・・)

ひどい嫌悪感に押されながら早坂は近くの駅へと目指した。

++++++++

今日も登校日なのでいつもより、気合を入れた。なぜかというと、部活動見学があるため、いろいろな部活を見学するのを楽しみにしていた。そしてクラス発表の日でもあり、2組になったので、教室へと向かった。

「あ、麻耶ちゃんやっほ~」

この可愛らしい声こと須藤真理は私の大親友だ。中学生からの親友で、いつも一緒に行動していた。

「おはよ~」

軽く挨拶を交わし、そのまま自分の席に着いた。

しばらくすると、教室のドアが開いたので見たら、なんとあの変態もこのクラスなのかと思った。思わずにらんでしまった。

(やば、小説読んでごまかそ)

私は小説に集中してあいつを気にしないようにした。


しばらくして、放課後になり、部活動見学の時間となった。初めはテニス部を見学した後、美術部にも見学に行った。どれも楽しそうな部活で、ぜひやりたいと思った。

そして、しばらく教室の廊下を歩いていると、生徒会室が見えた。(あ、そういえば、生徒会執行部という珍しい部活があったなと思った。面白そうだから、行ってみることにした。

 ドアを開けるとそこには賑やかに盛り上がっていた。後から私に視線が浴びたので的確に答えた。

「あの、部活動見学に来ました。早坂です」

「おお!新しい人が二人も!こっちの席に座ってね。」

どうやらこの人が会長みたいだ。なんか腕に会長って書いてあるし。指示された席に座ろうとしたその隣の人と目が合った。

あ、こいつって・・まさかっと思った。

またこいつだああああ!

「え!何で変態がいるの?」

「変態じゃねーよ」

「うるさい」

もうやだ、今日ついてない、こんな奴が隣だなんて・・・私は我慢しながらも、自己紹介を済ませ、気がつくと見学の時間が終わっていた。先輩から帰っていいよと言われたので、帰ろうとしたら、もうすでにあの男は去っていた。私も帰ろうかと思ったら女子の先輩に

「ちょっといい?早坂さん。」

「はいっ、大丈夫ですよ」

先輩は一息をつきながら私に質問した。

「森川くんのこと、なんで変態って呼んでるの?」

森川とはあの男のことだろうか。

「保健室で襲おうとしたんですよ。最低な男ですよ」

すると、先輩が驚いた顔をした

「早坂さん知らないの?見てたんだけど、森川君気を失ってた早坂さんをおんぶして保健室まで連れて行ったんだよ?」

え。まさか、そんなはずは・・

でも確かに、隣に誰か看ててくれたような感じがしたけど、あの人が・・・?

「そうだったんですか・・教えてくれてありがとうございます。」

「ううん、納得してよかった。森川君可哀想だったから謝ってあげてね。」

そういって先輩は生徒会室へ戻った。

(ああ、やばい、何してんだ私・・・明日謝らないと・・・)

早坂は自分のしたことを深く反省し、その場で泣き崩してしまった

「麻耶?大丈夫?」

振り返ると、私の大親友、真理がいた。

「なんでここに・・」

「麻耶と一緒に帰ろうかなと思って探してたの。そしたら、麻耶が泣いてるんだもん、びっくりしちゃった。」

真理は私においでと言ってハグしてなぐさめてもらっていた。

(真理、ありがとう・・)

しばらくは真理の胸に抱きついていた。





・・・・・・・・・・

入学式から3日が過ぎ、今日もいつも通りの登校となる。さすがに慶介は昨日のイライラも消え、いつもの明るい自分に戻っていた。

学校に着き、下駄箱で、上履きを履こうとしたらそこにまた、早坂がいた。誰かを待っているかのようだった。

俺を見た途端、急に近づいてきて、小さな紙を渡された。

「これ読んで。」

といってさっさと教室に行ってしまった。

渡された紙を見ると



―放課後、教室に残ってて。―



と書いてあった。慶介は「まさか、告白か?」いや、ばかばかしい、と自分なりの妄想を繰り広げていた。

よく見たら、早坂は普通に可愛いと思うし、モテる所もよくわかる。そう思うとドキドキした。え、もしかして、これが恋?いや、ありえねぇ、とまた妄想を繰り広げていた。



・・・・・・・・・

放課後、紙に書いていたとおり、教室に残ることにした。

そうすると、後ろの教室のドアが開いた。きた。

「ごめんね、遅くなって」

「・・・別に、で、何の用?またからかいにきたのか?」

早坂はもじもじしながら答えた。

「あの・・・・ごっめん!私、森川の事、誤解してた。気を失ったとき助けてくれたんだよね?ありがとう。息をしてるか確認するために顔を近づけたんだよね?看てくれて、本当にうれしい。」

「・・・やっとわかったのかよ。どういたしまして。」

(顔を見たかったなんて言えない)

「でも、よく見つけたね。裏だから誰も通らないのに。」

「誰だって気になるだろ。しかも人が倒れてたらふつうにほっとけねーよ。」

「優しいんだね、森川のこと見直したかも。」

「見直したって何やねん・・」

彼女はふふふっと笑いながら俺に顔を近づけて

「ありがと。」

と耳打ちされた。可愛い。不覚にもドキッとしてしまった慶介はただ固まっていた。すると早坂は

「あ、そろそろ帰る時間だね。よかったら一緒に帰らない?」

うん、と言いかけたそのとき

「2組森川、至急職員室来るように」

放送が流れた。

はい?急に呼ばれたのでタイミング最悪や。と思った森川であった

「一緒に帰れないね。」

「お前と帰れないなんて運が悪いわ、じゃあ職員室行って来る。」

しかし、彼女から返事はなかった。俺は返事を待たずに教室を後にした。





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