転校生は人気者だけど
やっぱ転入生って人気なんだなー。みんないっぱい話しかけてくれるし。ぼっちにならなくて済むかも。
そのまま午前の座学を終え、、昼メシもクラスの人たちと食べ、午後から魔法実習のため着替えていると、
「本日転入してきた、天見理世くん。着替え終わったら、魔法実習の前に職員室の芦屋まで、お願いしますね。」
優しい声の担任、芦屋結奈先生…だっけ。呼び出し?なんだろ、転入初日になにやらかしたんだろ俺。
「魔法実習にあたって、今日は担当の宇高蘭先生とペアを組んでもらうから。ほんとはペアの子がいるんだけど、今日はその子が国の要請で外部任務中なのよ。ごめんなさいね?」
外部任務か、すごいな。確かクラス委員の森奈悠美とかいう子がいってたな。「うちのクラスには1人天才がいてね、その子は今日ね、国からの依頼で学内にいないんだよね。でねでね!学園からの依頼を任務、学外からの依頼を外部任務っていうんだけどね、基本外部任務ってないの。1度学園が外部からの依頼を受けて、それを私たちに依頼するからね。でも外部任務は指名なのよ!しかも国からとなると・・・」てな感じで熱弁されたわ。なつかしいなぁー、ついさっきだけど。
「天見くん?聞いてる?」
下を向いていた俺の顔を覗き込むようにしたから見つめる芦屋先生。エロい。一言で言えばエロい。先生が下から覗き込んでいるから必然的に俺が上から覗き込む形になり、細身の体なのに大きくて、いやでも目を惹く2つの山から目が離れない。
「聞いてませんでした。」
素直になってしまう。これが溢れる母性か。
「もぅ、いい?こちらが宇高蘭先生。私の同期だからわからないことは宇高先生にしっかり教えてもらってね?」
「宇高蘭です。よろしくね。」
引き締まった身体が芦屋先生とは違ってまたいい。胸のサイズは小振りだが形が超綺麗。芦屋先生のせいで胸に意識が、持っていかれてたわ。あぶね。
「天見理世です。よろしくお願いします。」
精神を鍛えよう。
魔法実習は特別な部屋で行われる。室内なのに、どこまでも続く不思議な空間。これは学園長の作った空間魔法で魔力供給なしでも1ヶ月ももつ優れものらしい。
そこでの実習を始める前にふと思った。
「奏、どこいった?」
「奏?誰のこと?」
クラスでも隣の赤城幸也が、反対の隣の水瀬結依とともに聞いてきた。なので普通に
「誰って、なんか魔法?らしい。詳しくはわかんないけど、そーいってた。」
って答えた。そしたらみんなが固まった。宇高先生まで。
「え?何?」
みんなに尋ねると
「嘘だろ。擬人魔法かよ。」
「嘘…だよね、うん。」
疑われてる?
「いや、嘘ではない。」
「・・・」
3拍の静けさの後に飛び交ったのは、歓声だった。
「どうゆうこと?なんで歓声?」
なぜかわからないから聞いた、それだけなのに、
「バッカじゃねーの。知らねーの?擬人魔法だぞ。できるやつなんて世界にも俺の両手があれば数えられるくらいしかいねーよ。」
少ないんだね。俺は希少種だってことか。
「へー。」
「へー。じゃないから。ねぇ、見せてよ!」
水瀬結依の言葉にみんなが静まり返った。
「俺はいいんだけど、おーい!奏。」
「仕方ないのぉ。」
そういって現れた奏に、空気が呑まれた。
仕方のないことなんだろう。初めて見るという擬人魔法がこんなにエロくて美人だとは思ってなかっただろうから。
「まじか。」
赤城幸也の言葉と似たような言葉しか聞こえなかった。
そこに1つのばくだんが投下された。
「御前さんよ。もう1人おるぞ、ほれ。」
どこかで見たことあるよと思ったら、
「夢の中の巫女服ちゃんじゃん。」
でもなんで?なんて思っていると、
「御前さんよ、こやつの深層世界に入ったろうに。」
あれって夢じゃなかったんだー。なんて呑気に考えていると、
「それで縁が結ばれてしまったんです。なので、不本意ですがよろしくお願いします。」
またもおこる大歓声。ちょっと頭痛い。すると今まで消えていた宇高先生が
「静粛に‼︎本日は自主訓練とする。天見理世くん。付いてきなさい。」
真剣な雰囲気の宇高先生に連れられてきたところは、
「理事長室ですか。」