再び屋上で
罰ゲームで負け、屋上で叫んだ青原千歳です。
叫んで嬉しかったと同時に外で部活動を行っている人たちの視線が僕の叫んだ声で屋上へ向き、それに驚いて思わずグランドから見えないように隠れてしまった。僕はしゃがんでドアから出ようとすると屋上のドアが開き、春叶だと思って駆け出していくと、
「千歳。今の言葉ほんと?」
すずが屋上に入ってきた。その後ろには春叶がピースして微笑んでいる。
「ほ、ほんとだよ!その、昔からすずのこと大好きだ……。」
体温が上昇していくのが自分でもわかった。顔が赤いだろう。でも、すずの答えを聞くのが恐くて今すぐ逃げ出したい気持ちがある。だが、それは無理だろう。ドアの前には春叶が立っており屋上から出ることが出来ない。
「千歳。私も千歳のこと好きだよ」
と照れ気味で言われた。僕は本当に人生でこれほど幸せなことはないだろうと思ったほどに幸せになった。でも、上手く声がでずに、口を金魚のようにパクパクと動かしていた。
「千歳私と付き合ってください。」
ここでも照れ気味でしかもニコッと笑うので、思わず抱きしめてしまった。恥ずかしすぎて顔が見えないので抱きしめたまま
「僕なんかでよければ喜んで。」
屋上に秋の少し冷たい風が僕達の赤くなった頬にあたり、ほどよい温度になっていく。僕達は目を合わせ向かい合い手を握り笑いあった。