13 一年生たち
岡崎先生・女 文系担当の教師。部活の顧問。
道下 ヤスミ ・ 女 高1。
岡山 コトカ ・ 女 高1。
金谷 チトセ ・ 女 高1。
一年生たちのテストが終わり、一年生たちも加わって全員で部活が出来るようになった。
ちなみにこの高校では入学1ヶ月後にテスト週間を一週間もうけたのち、テストを行う。
部活動申請については、入学1ヶ月の間に申請を済ませるのであった。
さて、この部活を一年生たちは高校から始めているため、初心者であった。中学で部活として採用しているところはあるものの、一年生たちの中学では採用していなかった。
けれと、魔法を使えるヤスミがいたり、格闘技を元々していたチトセがいることから特に二年生や岡崎先生は心配はしていない。。。
とは言えず。
心配ごとが一つあるとすればコトカであった。
★
職員室にて、椅子に座る岡崎先生がいる。
その手には入部届持ち、その紙を眺めていた。岡崎先生の目の前には一年生のヤスミとチトセとコトカがいる。
入部届の名前欄には岡山コトカとなっており、ここアルシエスタ部に入部するようだ。
だが、入部部活欄の下に中学の所属部活の欄には文化部美術部と書いてある。
一緒な中学であり、この部活に誘ったチトセは「運動神経は良い方すよ」と言う。
ヤスミはその横で何度も頷く。
これについて岡崎先生は「別に部活マネージャーとして活動してもらうこともありだからね」とコトカに言う。
ヤスミは「どうする」と、コトカに聞く。
すると、コトカは「チトセとヤスミと一緒に部活がしたい。体力には自信がある」と答える。
岡崎先生は頷き「分かった、部活のみんな良い子だしね、ゆっくり部活に馴染んでいけばいいよ」と言った。
コトカは「はい」と頷きながら言う。表情はにこやかだった。
「さて、教室にもどっていいよ」と、岡崎先生は言って、椅子から立つと、一年生三人と職員室外へ歩く。
「んじゃ、これからよろしくね」と、岡崎先生は三人に言う。
一年生たちは「はい、失礼しました」と言うと、教室の方向へ歩いていった。
その後、岡崎先生は職員室の自身の机に戻ると、椅子に座る。
机の引き出しを開けると、大会の記入紙がある。二年生の欄は埋まっていたが、一年は空白であった。
大会ではシングルスとトリプルスの試合方式をとっており、コトカが試合向きでなければチトセとヤスミはシングルスのみ出場。試合に出れるのであれば、トリプルスも出場させるとのことだ。
「まだ、期限あるし、このまま様子見とこ」と一言いうと、岡崎先生は、目の前のお茶を一口飲むのであった。
★
その日の放課後
部活の準備中に私は岡崎先生に呼び止められ部室に二人、今日の部活の話をすることになった。
その話とは、二年生達に一年生の実力を見てもらうため、一年生達と試合することになった。
そもそもこれは、一年生のヤスミとチトセは経験者ではあるが同年代以上の強者と戦えるのかという疑問が岡崎先生にあったからだった。
同年代とは経験者としてヤスミとチトセは有利な戦いにて勝つかとは思うが、上級生しかも強者ともなると何もさせてもらえず負けてしまうかもしれないと思ったからだ。
しかも、我が部活はアリサ達の現二年生が始めた部活のため、三年生がいないのだ。アリサ達の心配はしたことが無いが、一年生達はどこまで出来るか分からない。
そのための試合をすることにした。
と、岡崎先生から言われた。
それで私はどうしたものかと頭を悩ませ、「一年生同士で試合をしてはいけないのでしょうか?」と、岡崎先生に私は言ってみた。
一年生の実力を試合で見るためには、私達では少なからず攻める時間よりも守る時間を長くして、一年生に攻撃をしてもらわないといけなくなり、それは私達に手加減をして戦えというものだった。
私は出来るがリンやアヤは無理だろう。リンは炎で自身を囲い、アヤは遠距離から攻撃したがる。
岡崎先生は「そうだねぇ。それもいいかもねぇ。けど一年生同士だと、自分の限界が分からないんじゃないかなぁ。あの子達って同じ中学出身だからねぇ」と、岡崎先生は言う。
「分かりました。やりましょう、リンとアヤには私が言いますので、大丈夫です」と、私は言う。心のなかでリンとアヤには何て言おうと考えながら。
さて、部室から出た私は部活の準備が完了して、窓側にて座っているリンとアヤへと歩いて向かった。
「リンちゃん、アヤちゃん。一年生と練習試合することになったよ。」と、とりあえず練習試合することを伝える私。
「ふーん、いいんじゃない」と、リンは言う。
「私もいいよ、やろう」と、アヤ。
大丈夫だろうかと思う私がいる。
一方、岡崎先生は一年生達がいる所にいる。
「いまから二年対一年をあこなうがやれるか」と、聞く。
「勝ちます」とチトセがすぐ言った。
「大丈夫です。いけます」とヤスミは言う。
「頑張って、応援してるよ」と、コトカは微笑む。
二人は、練習としては毎日二年生達と組み手やスパーリングをしており、十分やれる自信はあった。
岡崎先生もこのことを考えて今回の練習試合をしようと決めた。
その後、部活が始まる時間となり岡崎先生を囲んで二年生と一年生が集まった。
今日は試合をする。準備体操と運動を終えたら、試合着に着替ること。を言う岡崎先生を私は聞いていた。
「ハイハイ、始めて」と、岡崎先生は手をたたき急かす。
岡崎先生の話は終わっていたようだ。
約一時間後、準備運動を終えて部室にて着替えが終わり、私たちは試合のフィールドにいる。
★
私たちがフィールドに入ると、外から岡崎先生が言う。
「対戦形式は一年生二人対二年生一人の5分で行う。勝利判定は一年生は二年生を倒す、または5分耐えること。二年生は一年生二人とも倒すこと。以上」
なお、倒すとは体力ゲージを削り取りゼロにすることである。
私たちは返事をし、対戦の順番を決める。
「私一番がいいー」と、リンがウキウキしながら言う。一刻も早くやりたそうだ。
「なら私は二番ねー」と、アヤは私の後ろから言う。
ということで対戦順がきまった。
私は、外にいる岡崎先生に順番を伝える。
「先生。1戦目ストラスバーグ、2戦目香取、3戦目私です」岡崎先生はうなずく。
「一年生たちはいいかな」と、岡崎先生は一年生に聞く。
「ハイ」と、一年生たちは返事をする。
岡崎先生はうなずき、「では、対戦開始はフィースドの中央にある二本の横線、仕切り線に対戦者が両足を乗せると自動的に始まるから、始めてね」と、言う。
チトセとヤスミは返事をし、仕切り線の上に乗る。リンも片方の仕切り線に乗る。
乗った直後開始のブザーが鳴り、フィールド外のモニターに両者の体力が表示され、タイマーが進む。
まずチトセは両手に刀を、ヤスミは右手に木製のロッドを出現させる。
チトセはリンに向かって走り、ヤスミは魔法を唱えているのか足元に魔法陣が出現している。
「うりゃーッ」と、リンへ刀を振り上げるチトセ。
しかし、刀はリンへ届かず赤色のバリアーに防がれる。赤色のバリアーは炎をまとい、リンを覆っている。
「チトセ避けて」と、ヤスミの声がチトセの後ろから聞こえ、チトセはしゃがむ。
後ろから、水色の大玉が真っすぐリンへと飛んでいく。
リンはバリアーを正面に展開し、大玉を受ける。
「隙ありッ」と、リンの後ろからチトセが刀で横から斬る。が、リンは左手でバリアーを展開し防ぐ。リンは右手でヤスミの魔法玉を左手でチトセの攻撃を防いでいる。
「ッ」リンは苦しそうに耐えるが限界からか右手を下す、右から魔法玉が迫る。すると、リンは背中に炎の羽を出現させると上へ羽ばたいた。
魔法玉はチトセに命中し、チトセは吹っ飛ぶ。
現在の体力ゲージ。リン80%、チトセ70%、ヤスミ100%。残り時間3分。
上空にいるリンは炎の弓を出現させると、炎の矢を装填し、弓を引く。照準はヤスミ。
矢が発射され、ヤスミへ向かってゆく。矢は途中で炎の鳥へと姿を変えて、口を大きく開ける。
ヤスミは魔法陣を展開させると、小型の魔法玉を空中に複数展開する。
炎の鳥VS魔法玉である。
小型魔法玉が炎の鳥を囲み、炎の鳥へ勢いよくぶつかっていく。
が、炎の鳥は翼を勢いよく羽ばたかせて、魔法玉を消滅させてしまった。炎の鳥を邪魔するものがなくなった。
炎の鳥はヤスミに向かってゆく。ヤスミは魔法陣を組み立てる時間がないのか、両手で顔を覆う。
炎の鳥は口を大きく開け、ヤスミを飲み込む…。とはいかず、ヤスミの前にチトセが立つ。チトセは巨大な盾を出現させヤスミを守る。
巨大な盾を破らんとする炎の鳥。
炎の鳥の攻撃に耐えるチトセとその後ろでチトセの背中に手を当てるヤスミ、ヤスミとチトセの足元に魔法陣が出現する。
すると、巨大な盾が水色に輝き炎の鳥を吸収し消滅させた。
ヤスミ、チトセとリンの間に無音の時間が流れる。
その、刻を止めたのはブザー音であった。
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