8 学校
私は高校の門の前に来ている。
今日は平日で授業があるためである。
学校の入り口を入り、下駄箱に靴を入れ室内靴を取り出す。
靴を履き替えると、私は教室に行くため廊下を歩く。
すると、後ろから声をかけられた。
後ろを振り向くと、同級生の水島がいた。
水島は小学校からの知り合いである。
「おはよう水島くん」
「おう」
二人は並んで教室に歩きだす。
いつものことなのである。
「おい、バック」水島は手を私に向け、言う。
「なに?もってくれるの?」
「おう」
「ありがとう」私は水島にバックを渡す。
これもいつものことなのである。
★
私達は教室に入る。
水島は私の机にバックを起いた後、自分の机に荷物を置き、左手でイスを手前に引き、座った。
私も自分の机に来ると、イスに座る。
私は横を見る。
横の席は水島である。
水島は小説を読んでいた。
「ねー、それなんの小説?」私は体を水島に向けて聞く。
「ほのぼのでカワイイ萌系の奴~」水島は顔を私の方を向いて答える。
私は即座に、「変態」と、私は言ってやった。
「ばーか」水島は顔を小説に向けた。
チャイムがなる。
教室の引戸が開き、教師が入ってきた。
教師は生徒の出席を取り、本日の内容などを話していた。
終わって、教師は「一時限目は南棟ホールで授業だから遅れるなよ、分かっているかとは思うが10分前行動だからな」と、言って教室から出ていった。
★
その後、時間は一時限二時限と過ぎて、12時過ぎて昼休み過ぎて、放課後になった。
「あーりさー」私がバックに教科書を入れている時、りんが教室にやって来た。
部活に行く時は必ずと言っていいほど、りんが呼びにくる。
「りん、もうちょっと待ってて」
「あーぃ」と、いって、りんは教室を見渡す。
教室には、私と水島がいて、水島は小説を読んでいた。
「よ、水島」
「おう」水島は手を振る。目線は小説に向けたまま。
「なに読んでんの?」りんは水島の前にくる。
「ほのぼの系のやつ」
「可愛い系?」りんは首を傾げる
「萌え系だな」
「変態」
「ばーか」水島は小説を見ながら言う。
「ばーか」と、言ってりんは水島を叩く。
「いて、」水島は軽く言う。
私は準備が出来たので、りんに「部活いこう」と、言う。
「はーい」りんは返事をする。
「水島くんはどうする?」と、私は聞く。
「香取さんがいるなら行く」と、水島は言う。
「あやに何か用でもあるの?」りんがニヤニヤしながら言う。
「香取に借りた小説を返したいから」と、水島は読み終えた小説を机から出す。
「あやなら、先に部活にいってるよ」りんが言う。
「よし、行こうか」水島は小説を手に持ち、立ち上がる。
★
私達は部活場所である、体育館に来た。
私は体育館の鉄の扉を、両手で開ける。
「あやー。いるー?」リンが言う。
だが、返事が無く、リンの声が響くだけである。
「いなんじゃない?」私は、辺りを見渡して言う。
「おっかしいなー」と、リンはスマホを手に取り、画面を操作する。
すると、「あ」と、リンは声をだす。
「なに?」私はリンの方へと体を向けつつ言う。
「あや、自販機の所にいるって」と、リンはスマホの画面を私に向け、言った。
「こっちに呼んだからすぐ来るってよ」と、リンはスマホを閉じて言う。
「了」私は言う。
水島はその間、本を立ち読みしており、無言であった。
★
5分後、あやが缶コーヒーを飲みながら、体育館へと来た。
「おす」リンは手をふり、言う。
「おっすおす、来たよー」あやがリンに手をふりながら言う。
「のみ歩きはだめだよ」私は注意した。
「はーい。てか、みっくん居るじゃん!珍しいね」あやが水島を見て驚く。
「ほい、本読んだから返しに来た」水島は手に持っていた本をあやに渡す。
「おー、はやいね」あやは言う。
「一日中読んでたから楽勝」水島はあやに自慢を言う。
「ねー、それ何の本?」リンが気になったのか、あやの持つ本を覗きながら聞く。
「人間界と魔界が一つになるまでの実話だよ」と、あやは本の表紙をリンに見せて言う。
「へー歴史の授業でしたかも」リンは言う。
私は特に興味が無いので、「部活始めるよ。準備するよ」と、言って、準備品を探しに体育館の倉庫へ行く。
「あいあいさー」リンは私の後についていく。
「みっくん、これもってて。飲んじゃ駄目だかんね」あやは水島に缶コーヒーを渡す。そして、体育館の倉庫へ歩いて行く。
「飲まねーよ」水島は缶コーヒーを受けとると、床に置いた。