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3 チャット

10分ほど街を歩いただろうか。

イヤホン購入の目的は済んだため、カフェで一息つこうかと探している。

とりあえず駅中にある喫茶店を目指すことにする。



ある程度歩いて、駅が見えた頃。

スマホにチャットの通知が来たのか、通知音が鳴る。

私がスマホをみると、相手はリンだった。


「やっほー、ありさ。元気、今どこー?」と、リンからだ。


リンとは同じ高校でクラスの友達だ。

そういえば、今度遊ぼうと言ってたきがする。

その今度が今日なのか。


「元気だよ。いま、カール駅近く」と、私は送信した。


スマホを戻すと、その三秒程で返信が来た。


「行っていい?」と、リンから。


「いいよ。駅中の喫茶店にて待つ」と、返信する。


「( ̄^ ̄)ゞ」と、リンからは顔文字だけの返信がきた。


私はスマホをカバンに戻すと、駅へと歩きだす。

駅に着き、近くの喫茶店に入る。

入ると、店員がやって来る。


「いらっしゃいませ」と女性店員が言う。


私はその女性店員の方を向くと、「ご自由に、空いてる席にお座り下さい」と、笑顔で女性店員が言う。


私は2人分座れる席に座った。

私が座ったのを確認した女性店員は、私の座れる席へと来ると、メニュー表を私に渡す。


「ご注文お決まりでしたらお伺いします」と女性店員は言う。


メニューを眺めた私は、「カフェオレで」と、言った。


「かしこまりました」と、女性店員は言うと、席を離れていった。


私はスマホを取り出して、リンに、「駅近くのabc喫茶店なう」と送信した。


3分ほどでリンから返信があった。


「はーい、すぐ着くよ」とのこと。


私は暇潰しにスマホの映画ランキングを見ることにした。特に、映画が見たいわけではない。

リンが最近見た映画のことを話していたことがあったため、ある程度興味があった。

ランキングをみていてリンが見たという映画は二位であった。

ほか、気になる映画があった。

内容が魔王と結婚した人間の話で、これにより魔物と人間の戦争終結に至る。

という映画のようだ。


「なにこれ」私は一言呟き、スマホを閉じた。


それから何分かしたあと、注文した時とは別の店員がカフェオレを運んできた。


「カフェオレでございます」と、店員は言う。


「ありがとうございます」と言って、私は受け取った。


「ごゆっくりどうぞ」と、店員が言い、席から離れていった。


私はカフェオレを一口、口に含む。


「うまい」と、心のなかで呟いた。



スマホを手に、ネットでイラストを見ていた。

特にこれといって、良い悪いという評価をせず、ただイラストを見ている。

イラストの内容というよりか、アクセスのランキング順で並べてあるイラストを順に見ている。


カフェオレは、半分くらい減った。


ある程度イラストを見てると、音が鳴った。

スマホの受信欄にリンからの送信が来たことを知らせている。


受信した内容を見ると、「カフェの前に来た。今入るよ」と、書いてある。


私は入口を見ると、Tシャツにジーパン姿のリンが店員と話しているようだ。

店員は私のいる方を向き、リンも顔を向ける。

リンは、店員に頭を下げると私の方へと来た。


「おはよう、ありさ。いや、こんにちはかな?。ってか、結構待った?」と、リンは私の前の席に座り、言う。


「普通かな。別に結構待った感は無いよ」と、私は言う。


「そっか、なら良かった。それ何飲んでるの?」リンは私の目の前のグラスに指をさして言う。


「これ?カフェオレ」


「カフェオレかぁー。私はアメリカンコーヒーにしよう」と、言って、リンは注文ボタンを押した。


店員が近くのテーブルを片付けていたので、すぐこちらの席に来て注文を取ってくれた。


「ご注文をどうぞ」と、店員が言う。


「アメリカンコーヒー」と、リン。


「砂糖、シロップはお付けしますか?」と、店員。


「両方ともいらないです。」と、りん。


「アメリカンコーヒーの砂糖、シロップ無しですね。少々お待ち下さい。」と言い、店員は席から離れていった。


店員が奥に行くのを見送ったあと、「ねぇ、ありさ。アルバイトしてるんだっけ?」リンが、言う。


「うん。祖父の手伝いでパンをつくってるよ」と、私は言って、つくったパンと私が写った写真をスマホでリンに見せる。


「可愛いー♪ウサギだー♪♪」リンはテンションが高く、言う。


「可愛く出来たんだぁ♪」私は照れながら言う。


あれは先月の、あるパン屋の定休日の日であった。

朝はやく、新作のパンを祖父と二人でアイデアを出し合っていたとき、私がウサギを作りたいと言ったことで、試作品を作ることになった。

作り方は祖父が考案し、私は、祖父が書き起こした作り方の手順表を見つつ、祖父の手ほどきを受けながらウサギパンを完成させた。

あれから1ヶ月、私はひとりでウサギパンを作れようになったのだった。



程なくして、リンの注文したアメリカンコーヒーを店員が持って来てくれた。


リンは受け取ると、「あざます」と、言う。


「ごゆっくり」と、言い、店員は席を離れていった


リンは、アメリカンコーヒーを一口飲むと、バックからメモ帳を取り出す。


「ねぇ、ありさ」


「なに?」


「大会のことだけど…」


これまでの明るいリンとは違う、真面目な口調である。


「うん、分かってるよ。」それは、リンと私が所属している学校が出場するインターハイのことだ。


私達が出場する種目はアルシエスタ。

魔法と科学技術を用いた、格闘である。

三人一組の団体戦と個人戦があり、私達は団体戦のみの出場である。


「勝てると思う?」リンは言う。


現代は、魔界と人間界の血が混ざった魔人が大部分を占めているが、魔法が自由に使えるかと言えばそうでは無く、魔人であっても使えない人はいる。

そのため国は従来の魔法主体の教育ではなく、総合的な学習を学ぶ普通科、専門的な学習を学ぶ専門学科、総合学科という別々学校を設立している。

魔法の教育については、普通科、総合学科では、魔法の基礎である魔力のコントロールや歴史について学ぶ授業を選択した生徒のみで行う。

魔法主体の教育については、専門学科である魔法高校で基礎から応用、幅広く学ぶ。

ちなみに私達は総合学科の高校の生徒である。


腕組みをした私は一秒も考えずに「無理かな」と、リンに答える。


「やっぱり。そうだよね。普通の学校が出場しても魔法高校に勝てる訳ないよね」

と、リンは言う。


しかし、アメリカンコーヒーを飲み干すと、急に笑顔になると、「しかーし!!!ここまでが、一般の考え方よ。私達なら勝てる!!!」リンは立ち上がり机を叩き、言う。


だが、周りの目がこちらを向くのが分かったのか、小さく頭を下げて素早く座った。


「恥ずかしいよ」私は、赤面した顔を両手で隠す。


「ごめん」赤面した顔で謝る。


「ううん、いいよ。いつものことじゃん」


「あはは、さっすがありさ、分かってるー」


「ほめてないよ」


私達は頬を膨らませる。


「さて、どうする。おかわり注文する?」リンはメニュー表を手に取ると言う。


「ううん、駅前のデパートに行きたいから、店を出よう」私はリンに言う。


「了解。んじゃ会計は私が払うよ」


財布やスマホをジーパンに入れて外出しているリンはカバンを持つ私よりもはやく席を立つ。


「え、ちょっ…と」私が言う前に、リンは会計に行ってしまった。


カバンにスマホを入れて、席を立ちリンがいる会計所に行くと、すでに終わっていた様で、レシートを持ったリンが待っていた。


「もー、私の分は自分で払うよ。ね、レシートみせて、お金渡すから」


私はリンの持つレシートを掴もうとすると、「いいよ、待たせちゃったし、そのお詫びだよ」と、リンは言うとレシートをジーパンのポケットに入れてしまった。


「分かった、ありがと。リンちゃん」と、私は言って店を出た。



今、駅前のデパートに入った私達は、ぬいぐるみを見ていた。


「ねー、リン」


「なぁーにー?」


「いつまで見てるの」私は時計を見る。


「うーん。買おうか、買わないか、迷ってるんだよね、丸々してて可愛いんだよね、」


ピンクで丸々しているぬいぐるみを、両手に持ってから、時間だけが過ぎている。


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